...どうしても承知しない...
芥川龍之介 「妖婆」
...十四の年に親類の承知しない画学校へ入学さして貰ったのです...
上村松園 「今日になるまで」
...格が下るから駄目だと「兄貴」が承知しないで...
高見順 「如何なる星の下に」
...走れ! 背中のお客さまを振り落したら承知しないよ...
太宰治 「ろまん燈籠」
...「私の方は、これまで我慢をしておったが、前方(むこう)の行為(しうち)が怪(け)しからんから、今度と云う今度は、断然処分をすると云って、とっても鼻息が荒いのだ、それで君の方は、これまでさんざ、利息を執(と)っといて、それも前方に有って払わないならともかく、前方は商売に失敗して困ってるところじゃないか、俺だちは義によって、解決しようとしているのに、それを聞かないでやるようならやってみるがいい、俺だちは生命(いのち)を投げだしてやってることだから、承知しない、もし、邪魔になると思や、警察なり、どこなり、云って往けって、たんかをきってやったのだ」「それで、奴さん、何と云った」「何人(だれ)が何と云っても、今度は承知しない、これは何人に聞かしても、私の方が正当だから、断然処分する、どうかこの事は、ほうっといてくれと云うのだ」「そうか」左側には二十五六の頭を角刈にした壮(わか)い男がいた...
田中貢太郎 「春心」
...妙子が承知しないであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...島村君をいい加減にだますようだったら承知しないぞと...
豊島与志雄 「立枯れ」
...元来学校からして寒村にあるんですから……」「それじゃ学生はその辺にだいぶ宿をとってるんでしょう」と独仙君はなかなか承知しない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...其邊に二人や三人は居ますよ」「誰と誰だ」「親が承知しないばかりに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しかし私はこれも承知しない...
野村胡堂 「平次と生きた二十七年」
...掻きまはしたら承知しないぞ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...男は承知しないでもっと出せとせがんだ...
松永延造 「職工と微笑」
...どうしてもかれが承知しないので...
山之口貘 「酒友列伝」
...ともかく高松へ送ってしまうことだ」「だが承知しないだろうな...
山本周五郎 「新潮記」
...ほかの名前では絶対に読者が承知しないのだから作者も一生懸命になって首をひねらざるを得ないのである...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...血の中に立っている全軍が承知しない...
吉川英治 「私本太平記」
...自分もまた我を以て迎えなければ腹の虫が承知しないほど自分にはまだ愛が足りない...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
...そのような春の夜の闇は闇として矛盾したものである――という結論へ導かなければ承知しないところに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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