...弓の折(おれ)を振上ぐれば老婆はお藤の手を扼(とりしば)りぬ...
泉鏡花 「活人形」
...わが一族の若輩の切歯扼腕の情もいまは制すべきではない...
太宰治 「右大臣実朝」
...実にかのウェストミンスターの幽欝(ゆううつ)なる積土の中に沈黙したる一個の死人はかえって議院壁内に起ちて扼腕(やくわん)撃節多々ますます弁ずるの衆多の生人よりも氏が進路を防障するものといわざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...これ万一敵艦江戸湾を扼(やく)する時に際し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...しかし徒らな切歯扼腕であってはならない...
戸田豊子 「鋳物工場」
...館山灣の北を扼する大房の岬に遊ぶかさご釣る磯もしづけみ頬白の鳴くが淋しきこれの遠崎おもしろき岬の松の繩繋ぎ犢の牛に草飼ふところ二日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...男の強い力で扼(し)め殺されてゐたんだ」「へ」「そこへお谷婆さんが忍び込んで來て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...全米を震撼して間もなくだった――がこれも普通人の考えられない残酷な状況の下に強姦扼殺されていたりなど...
牧逸馬 「双面獣」
...小沛のうしろを扼し...
吉川英治 「三国志」
...敵の退路を扼(やく)せ...
吉川英治 「三国志」
...往来の咽喉(のど)を扼(やく)している...
吉川英治 「三国志」
...切歯扼腕(せっしやくわん)...
吉川英治 「三国志」
...常に父を蜀のために亡(うしな)った恨みを嚥(の)んで切歯扼腕(せっしやくわん)しております...
吉川英治 「三国志」
...蜀勢の帰る道を扼(やく)していた...
吉川英治 「三国志」
...直義が切歯扼腕(せっしやくわん)したのもむりでない...
吉川英治 「私本太平記」
...海の口を扼(やく)し...
吉川英治 「私本太平記」
...形勢はまさに大津の咽喉(いんこう)を扼(やく)し...
吉川英治 「新書太閤記」
...鈴鹿口を扼(やく)し...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索