...扼殺(やくさつ)――つまり喉を締めたのだ...
海野十三 「キド効果」
...なぜなら、身体疲労し二昼夜も寝食をとらずにきた諸君を迎うるに、道を扼し、橋を撤し、渡船を奪うなど、ほとんど北狄の襲ってくるのに備えるような有様である...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...群馬県川俣村に於て警官憲兵数百人其通路を扼して之を抑制するに逢ふや...
田中正造 「非常歎願書」
...港口を扼したやうに両方から出張つてゐる徙崖の向うには...
田山録弥 「島の唄」
...太平洋に突き出た牡鹿(おじか)半島の咽喉(いんこう)を扼(やく)し...
徳田秋声 「縮図」
...館山灣の北を扼する大房の岬に遊ぶかさご釣る磯もしづけみ頬白の鳴くが淋しきこれの遠崎おもしろき岬の松の繩繋ぎ犢の牛に草飼ふところ二日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...あの関門が後ろを扼して...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...これを翳(かざ)して思う如く人々を驚かし給え」ランスロットは腕を扼(やく)して「それこそは」という...
夏目漱石 「薤露行」
...すさまじい扼殺(やくさつ)が行われた夜...
久生十蘭 「無月物語」
...妾は思わず手を扼(やく)して...
福田英子 「妾の半生涯」
...ドイツ特務機関をして切歯扼腕(せっしやくわん)させたもので...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...近世その暴虐ことに甚だしく住民はことごとく切歯扼腕(せっしやくわん)しているのだが...
柳田国男 「山の人生」
...これは扼殺(やくさつ)です...
山川方夫 「恐怖の正体」
...扼殺(やくさつ)とも圧死ともとれる屍体...
山川方夫 「ロンリー・マン」
...その位置する摂津(せっつ)の要地を扼(やく)して...
吉川英治 「黒田如水」
...切歯扼腕(せっしやくわん)していた一派の輩(ともがら)は...
吉川英治 「三国志」
...蜀勢の帰る道を扼(やく)していた...
吉川英治 「三国志」
...ピサロは救援に赴こうにも途中の山路を扼されて如何ともなし得なかった...
和辻哲郎 「鎖国」
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