...扨て人類全体の生まれながらの体質に向つて...
丘浅次郎 「自然の復讐」
...扨てお誂へはと聞いて居るとしんじよとやらの椀盛にゆばの甘煮とやらでやれ/\と思つて失望を重ねて居る矢先酒とあつたので俄に勇氣を恢復したやうに覺える...
高濱虚子 「俳諧師」
...扨は今の雨に濡れたんだなと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...扨是等の石器は如何(いか)にして造(つく)られしやと云ふに...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...扨(さ)て進んで行くうちに社中でまた問題が起ったらしい...
中里介山 「生前身後の事」
...扨それでは、その良心は如何にしたら十分になるであらうかと考へる時、私には他力の信仰といふことが思はれるのだ...
中原中也 「詩壇への願ひ」
...扨この夏はどうしようかなと思ふと...
中原中也 「夏」
...更紗((サラサ))模様の着物著た、お転婆の茶目の娘が来るならば、――その娘は八才で、隣りの職人の子なのだが、此の野放しの娘奴(め)が、その背に編髪(おさげ)を打ゆすり、片隅で跳ね返り、彼にとびかゝり、彼を下敷にするといふと、彼は股(もゝ)に噛み付いた、その娘、ズロース穿いてたことはなく、扨、拳固でやられ、踵(かかと)で蹴られた彼は今、娘の肌の感触を、自分の部屋まで持ち帰る...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...扨(さて)もゆかしや其(その)ぬば玉(たま)の夜半(よは)の夢(ゆめ)...
樋口一葉 「曉月夜」
...扨親しみ愛(いつく)しむの一段に至りては...
福沢諭吉 「女大学評論」
...扨(さて)その写しようは如何(どう)すると云うに...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...自身自力の研究扨(さて)その写本の物理書...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...扨(さて)その普請(ふしん)の一段になった所で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...扨(さて)先方の人は誠に厚意を以(もっ)て話して呉(く)れたので...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...扨人間は右の如く慾あるものなるに若しそを少しにても押へて発せざらしめば...
正岡子規 「読書弁」
...扨て紺サアジの暑苦しい上着を着て...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...扨(さて)は楽しい明け暮れに...
夢野久作 「白髪小僧」
...扨は悪魔は自分を誘い出しておいて...
夢野久作 「白髪小僧」
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