...扨て其の本当の意志否定が如何にして為されるかといふに...
生田長江 「ニイチエ雑観」
...扨(さ)て是から猫は如何なる染色を好むかに就て述べるのであるが...
石田孫太郎 「猫と色の嗜好」
...アダムの二本棒(にほんぼう)が意地(いぢ)汚(きたな)さの摂(つま)み喰(ぐひ)さへ為(せ)ずば開闢(かいびやく)以来(いらい)五千年(ねん)の今日(こんにち)まで人間(にんげん)は楽園(パラダイス)の居候(ゐさふらふ)をしてゐられべきにとンだ飛(とば)ツ塵(ちり)が働(はたら)いて喰(く)ふといふ面倒(めんだう)を生(しやう)じは扨(さて)も迷惑(めいわく)千万(せんばん)の事ならずや...
三文字屋金平 「為文学者経」
...扨お頼みと申しますのは...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...更紗((サラサ))模様の着物著た、お転婆の茶目の娘が来るならば、――その娘は八才で、隣りの職人の子なのだが、此の野放しの娘奴(め)が、その背に編髪(おさげ)を打ゆすり、片隅で跳ね返り、彼にとびかゝり、彼を下敷にするといふと、彼は股(もゝ)に噛み付いた、その娘、ズロース穿いてたことはなく、扨、拳固でやられ、踵(かかと)で蹴られた彼は今、娘の肌の感触を、自分の部屋まで持ち帰る...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...扨 公儀にて無御構...
福澤諭吉 「御時務の儀に付申上候書付」
...何は扨(さて)置き十余年前にこの世を去(さっ)た兄が鹿児島に居る訳(わ)けもなし...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...夫(そ)れを乞食のように人に泣付(なきつい)て修業をさせて貰うとは扨(さて)も/\意気地のない奴共だと...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...扨(さて)も/\卑怯なる哉(かな)...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...扨(さて)大隈の辞職は左(さ)まで驚くに足らず...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...扨程なく其娘が疾ひなしに死んだ...
南方熊楠 「人柱の話」
...扨て紺サアジの暑苦しい上着を着て...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...扨て「時事新報」に出てゐる本間氏の批評は前々から續いてゐるもので...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...扨々恐入候御事に御坐候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...扨御宿元日々早朝不相変御見舞申上候処...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...余談は扨(さて)置いて...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...……ところで、扨(さ)て、その当学部第一回の卒業式が、正木先生の御欠席のままで終了致しますと、その翌日になって盛山学部長の手許に、正木先生からの書信が参りましたが、その中には斯様(かよう)な意味の抱負が述べてありましたそうです...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...扨(さて)は私の一生仕事の...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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