...この手扣(てびかえ)も今日まで保存されてある...
愛知敬一 「ファラデーの伝」
...嵌(は)まりにくいシャツの扣鈕(ぼたん)を嵌めていると...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...年長(としかさ)な芸妓が三人三味線を扣(ひか)へて入口の方に列んだ...
石川啄木 「菊池君」
...その横に小机を扣(ひか)えて上品な白髪の老人が一人坐っています...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...金属性の扣鈕(ボタン)を二つ三つコップへ入れて振る...
谷譲次 「踊る地平線」
...使用(しよう)の目的は樹木(じゆもく)を扣(たた)き切(き)り、木材を扣き割り、木質(ぼくしつ)を刳(けづ)り取り、獸(じう)を斃(たふ)し、敵(てき)を傷(きづつ)くる等に在りしと思はる...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...行司の神戸は紙に書いたのを見て兩方に別れて扣へて居る劍士の姓名を呼び揚げる...
長塚節 「撃劍興行」
...これは三条西家で久しく召使った老官女の扣家(ひかえや)であって...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...モシと扣(ひか)へらるゝ袂(たもと)の先(さき)...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...さわいでさわいで騷(さわ)ぎぬかうと思(おも)ひますとて手(て)を扣(たゝ)いて朋輩(ほうばい)を呼(よ)べば力(りき)ちやん大分(だいぶ)おしめやかだねと三十女(おんな)の厚化粧(あつげしよう)が來(く)るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...さわいでさわいで騒ぎぬかうと思ひますとて手を扣(たた)いて朋輩を呼べば力ちやん大分おしめやかだねと三十女の厚化粧が来るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...今一度お勢の袖(そで)を扣(ひか)えて打附(うちつ)けに掻口説(かきくど)く外...
二葉亭四迷 「浮雲」
...胸元は長い二列の扣鈕で止めてある...
牧逸馬 「土から手が」
...扣(たた)けば声百里に及ぶ...
南方熊楠 「十二支考」
...七人とも上着の扣鈕(ぼたん)をみな掛けて...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...窓は衣服に光る扣鈕(ボタン)が二列に付いてゐるやうに見える...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...その傍(かたわら)に馬立てたる白髪の翁(おきな)は角扣紐(つのボタン)どめにせし緑の猟人服(かりゅうどふく)に...
森鴎外 「文づかひ」
...叩は扣なり...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
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