...嵌(は)まりにくいシャツの扣鈕(ぼたん)を嵌めていると...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...泅袴(およぎばかま)に扣鈕(ボタン)一つ掛けし中單(チヨキ)着たる男二人...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...その横に小机を扣(ひか)えて上品な白髪の老人が一人坐っています...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...翩翩は釵(かんざし)を扣(たた)いて歌った...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「翩翩」
...白い「丸薬(ピル)」一つの気まぐれによって「灰色の石鹸」と「扣鈕(ぼたん)」がさまざまに動き...
谷譲次 「踊る地平線」
...扣鈕(ボタン)だけでは面白くないからと客に投げ銭を求める...
谷譲次 「踊る地平線」
...建築用(けんちくよう)の木材は火にて燒(や)き切り又は打製石斧(いしおの)にて扣(たた)き切(き)りしなるべし...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...使用(しよう)の目的は樹木(じゆもく)を扣(たた)き切(き)り、木材を扣き割り、木質(ぼくしつ)を刳(けづ)り取り、獸(じう)を斃(たふ)し、敵(てき)を傷(きづつ)くる等に在りしと思はる...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...來りて前に扣へ立つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...平岡円四郎免官差扣え(一橋擁立の罪の嫌疑なり)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...さわいでさわいで騷ぎぬかうと思ひますとて手を扣(たゝ)いて朋輩を呼べば力ちやん大分おしめやかだねと三十女の厚化粧が來るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...さわいでさわいで騷(さわ)ぎぬかうと思(おも)ひますとて手(て)を扣(たゝ)いて朋輩(ほうばい)を呼(よ)べば力(りき)ちやん大分(だいぶ)おしめやかだねと三十女(おんな)の厚化粧(あつげしよう)が來(く)るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...誰れでも便所へ行くのをさへ差(さ)し扣(ひか)へるといふ噂さへ起つた...
正宗白鳥 「避病院」
...この鐘を尾を以て扣(たた)きたりけるが...
南方熊楠 「十二支考」
...婦女はなるべく扣(ひか)え慎んだらしいとあって...
南方熊楠 「十二支考」
...七人とも上着の扣鈕(ぼたん)をみな掛けて...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...窓は衣服に光る扣鈕(ボタン)が二列に付いてゐるやうに見える...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...特にその肩の扣金(こうきん)のごとき...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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