...年長(としかさ)な芸妓が三人三味線を扣(ひか)へて入口の方に列んだ...
石川啄木 「菊池君」
...翩翩は釵(かんざし)を扣(たた)いて歌った...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「翩翩」
...白い「丸薬(ピル)」一つの気まぐれによって「灰色の石鹸」と「扣鈕(ぼたん)」がさまざまに動き...
谷譲次 「踊る地平線」
...私達は短衣(ヴェスト)の扣鈕(ボタン)を突つき合って...
谷譲次 「踊る地平線」
...金属性の扣鈕(ボタン)を二つ三つコップへ入れて振る...
谷譲次 「踊る地平線」
...整然として塹濠のほとりに駐め扣へしめ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...脚神速のアキリュウス即ち答へて彼に曰ふ、 145『アートレ,デーよ、光榮のアガメムノーン、衆の王、望まば君は正しくも約せる品を與ふるを得べし、或は扣ゆるを...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...水戸慶篤卿差扣(さしひか)え...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...行司の神戸は紙に書いたのを見て兩方に別れて扣へて居る劍士の姓名を呼び揚げる...
長塚節 「撃劍興行」
...モシと扣(ひか)へらるゝ袂(たもと)の先(さき)...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...さわいでさわいで騒ぎぬかうと思ひますとて手を扣(たた)いて朋輩を呼べば力ちやん大分おしめやかだねと三十女の厚化粧が来るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...今一度お勢の袖(そで)を扣(ひか)えて打附(うちつ)けに掻口説(かきくど)く外...
二葉亭四迷 「浮雲」
...布を被せたる扣鈕が二列...
牧逸馬 「土から手が」
...誰れでも便所へ行くのをさへ差(さ)し扣(ひか)へるといふ噂さへ起つた...
正宗白鳥 「避病院」
...この鐘を尾を以て扣(たた)きたりけるが...
南方熊楠 「十二支考」
...扣鈕を掛けたジャケツの下で...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...窓は衣服に光る扣鈕(ボタン)が二列に付いてゐるやうに見える...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...その傍(かたわら)に馬立てたる白髪の翁(おきな)は角扣紐(つのボタン)どめにせし緑の猟人服(かりゅうどふく)に...
森鴎外 「文づかひ」
便利!手書き漢字入力検索