...……蝿を殺す、油虫を殺す、百足を殺す、蜘蛛を殺す、……そしておしまひには私自身を殺すだらう!……あまり予期してゐなかつた酒が魚が持ち来された(一昨日、幸便に托して、山田屋主人に酒と魚を借りたいといふ手紙をあげてをいたのであるが)、さつそく飲んだ(五日ぶりの酒であり魚であつた)、快い気分になつて、学校に樹明君を訪ねて来庵を促した(そして米と野菜とを貰つて)、それからまた飲んだ、飲んで街へ出た、ひよろひよろになるまで飲んだ、ちようど私の不在中訪ねて来て、私を探し歩いてゐる敬君に逢うて...
種田山頭火 「其中日記」
...あゝして托鉢(たくはつ)して歩いてゐるけれども...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...すぐさま先方に渡すようにヴェリチャーニノフの手に托された...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...寄宿生中より抜擢して命じた舎監を特に他の同郷の壮年者に嘱托する事になって...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...明日から托鉢(たくはつ)でもして歩くから」利助は少し涙ぐんで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...斯う屈托を聽かされたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...実を明かして捨蔵を托した」「その祐堂が...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...賄賂依托は尋常の事にして...
福沢諭吉 「帝室論」
...遂に一紙の聘托(へいたく)をも得ずして...
穂積陳重 「法窓夜話」
...官便に托された書状が...
本庄陸男 「石狩川」
...彼が鋸屋に書面を托したのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...この残った花托が日を経て次第に大きさを増すのだが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そこで隔所(かくしよ)を見計(みはか)らつて托訴(たくそ)をする...
森鴎外 「大塩平八郎」
...始て托鉢に出た翌月であらう...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...それらの余裕に美が托(たく)されているのではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...母は勝手元に火焚(ひた)き水汲(みずく)みまたは片付け物に屈托(くったく)をしている間...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...訪ねるお人ってえのは?」「東渓村の托塔天王(たくとうてんのう)だ」「えっ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...生命の縄一本に身を托す...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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