...ノラ やはり私には子供は托されません――あなたのおつしやる通りです...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...何十年来シベリヤの空を睨(にら)んで悶々(もんもん)鬱勃(うつぼつ)した磊塊(らいかい)を小説に托して洩らそうとはしないで...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...即座(そくざ)に其人に托(たく)して曰(いはく)...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...予は一介(いっかい)の嘱托(しょくたく)教授に過ぎなかったから...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...劍士が佯撃によつてするやうに言を左右に托しつゝ巧みにその鋭鋒を避けるのであつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...店をお作と小僧とに托(あず)けて...
徳田秋声 「新世帯」
...更に和名鈔の高城郡托摩郷をも擧げ...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...倩(せん)たる巧笑にわが命を托するものは必ず人を殺す...
夏目漱石 「虞美人草」
...誰と誰が結托してゐて...
原民喜 「壊滅の序曲」
...国許(くにもと)より父の病気に托して帰国を促(うなが)し来ることいと頻(しき)りなり...
福田英子 「妾の半生涯」
...そのやうな感慨をその古今集よみ人知らずの歌を本歌とした一首の和歌に托してゐるのだが...
堀辰雄 「姨捨記」
...この残った花托が日を経て次第に大きさを増すのだが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...(少くとも或るものは)馬琴の煩悶に托して芥川は...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一つ詩人と云う奴と結托なさるです...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...平易な技法にあり余る美を托そうとする...
柳宗悦 「工藝の道」
...托塔天王(たくとうてんのう)とアダ名のある荘院(しょうや)さんですか」「知っているのか」「いや...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あしたの炎天の托鉢(たくはつ)を考えて...
吉川英治 「親鸞」
...貞盛が、いつも愛顧をうけている右大臣家の御子息、九条師輔さまの所へ――と答えると、急に、それで思い出したように、道風は、立て膝を上げて、かたわらの書棚から、一帖の書の手本を取り、無造作に、彼に托した...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??