...純粹に個我を離れたる愛情に一身を托するを得ざる自分の矮小なる姿を恥ぢざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...されど時々主人家族は用事に托して外出し...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...書きつゞけてゐる・ひとりの火おこす味取在住時代 三句久しぶりに掃く垣根の花が咲いてゐるけふも托鉢...
種田山頭火 「行乞記」
...現在その身を托している舟そのものを弄ぼうということはあり得ないことですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...処によると村の青年団に依托して電燈料の集金をさせる様にして居るが...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...友人小林秀雄に托し...
中原中也 「在りし日の歌」
...わが首の所置を托する段になって驚ろいた...
夏目漱石 「草枕」
...托鉢の途中や、それが済んでから、子供達と一緒に遊ぶためだ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...身過ぎ世過ぎは托鉢(たくはつ)をして人樣の門に立つても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...愛妹武子さんの将来を托す人をたった一人選みだしたのだった...
長谷川時雨 「九条武子」
...いつもならば泡を飛ばして口論もすべき直次郎が無言に終りし屈托の程は其夜お蘭さまがお膝もとに...
一葉 「暗夜」
...戸畑に対する責任は手形の振出人たる信托会社と裏書人たる松村個人とがある...
平出修 「瘢痕」
...叔母と乳母とに小児を托して引かるゝ後髪(うしろがみ)を切払(きりはら)ひ...
福田英子 「母となる」
...托鉢(たくはつ)から帰って来た二人の僧は...
吉川英治 「新書太閤記」
...屈托(くったく)なくたえず微笑をたたえている...
吉川英治 「新書太閤記」
...国府(こう)の町へ托鉢(たくはつ)に出ている教順房と呼ぶ人物なのである...
吉川英治 「親鸞」
...一度彼が身を機上に托して...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...帰国に際して教皇に七芸の師たる学者を送られたいと懇請する使者を托したと云われる...
和辻哲郎 「鎖国」
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