...さういふ打算的な作家が多くなつた...
青野季吉 「百万人のそして唯一人の文学」
...そうかと思うと感情の高潮を示したと思われる所も妙に打算的な所が離れ切らないと葉子に思わせるような内容だった...
有島武郎 「或る女」
...主我的で打算的なところの見える婦人でした...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...だから今日では個人的にも、社会的にも、国際的にも、すべては、「損得」、「利害」といったような、打算的な考えで、動いているようです...
高神覚昇 「般若心経講義」
...自殺を処世術みたいな打算的なものとして考えていた矢先であったから...
太宰治 「葉」
...畢竟(ひっきょう)それは得意の「深謀遠慮」に基づく打算的な感情であって...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...畢竟(ひっきょう)それは得意の「深謀遠慮」に基づく打算的な感情であつて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...冷たい打算的なアカデミックな眼でない...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...こんな子供に打算的な悪知恵や...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...」それは打算的な理屈だ...
豊島与志雄 「子を奪う」
...そんな打算的な生涯(しょうがい)はきわめて貧弱に思われた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何か運命的な予感が――此の女によってのみ自分は現在の女房の圧制から免れられるかも知れぬという・哀れにも甚だ打算的な予感がしたのである...
中島敦 「南島譚」
...けれどももう今は大分打算的な頭に...
中原中也 「その頃の生活」
...注意すべきことは打算的な考え方をしないという点だけである...
中谷宇吉郎 「私の履歴書」
...打算的な愛嬌を示されて苛々することを思ふと...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...極(ご)く極く打算的な僕の継母(はは)もこの弁護士にばかりは惜し気もなくお金を吸い取られているという評判ですからね...
夢野久作 「戦場」
...しかし強欲で打算的な彼はたちまち喜んだ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...決して功利的打算的な女の心理ではなく...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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