...試合終盤での彼の代打出場は救援役となった...
...それはよく晴れた星の多い晩であったが、打出しになって、あと片づけも済んだ時分、小人は話相手もないものだから、テントの外に出て、一人ぼっちで涼んでいた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...茲では常識一般が専門一般に対して太刀打ちが出来ると考えられる(無論或る一つの部門に就いては常識は専門に対して太刀打出来ないが)...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...それより打出の小槌を出せばいいぢやないか」長男がさう言つた...
外村繁 「打出の小槌」
...打出してから帰ると...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...次の間(ま)の時計が九時を打出(うちだ)した時突然(とつぜん)格子戸(かうしど)ががらりと明いた...
永井荷風 「すみだ川」
...初日ながら十時打出しの好成績...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...(七月二十一日)七十一○近刊の雑誌『宝船』に甘酒屋打出の浜に卸しけり青々といふ句があるのを碧梧桐(へきごとう)が賞讃して居つた...
正岡子規 「病牀六尺」
...下の句きるると「何(なん)と」といひて刀を取上げ「順礼に」にてえいと手裏剣を打出し「御報捨」にて...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...加多 よし! それで、よし! さ、打出よう...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...打出(うちで)の浜を来るころに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...天晴(あっぱれ)批評と称して打出して言挙(ことあげ)すべきものでないばかりだ...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...むらむらと打出でたる猟兵の勇ましさ見むとて...
森鴎外 「文づかひ」
...わたしは自分をはっきりと打出すために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...打出(うちで)の小槌(こづち)...
柳宗悦 「蓑のこと」
...遠慮なく女の心持を真実に打出すのが最上の法かと存じます...
与謝野晶子 「産屋物語」
...打出ヶ浜の波音にまじって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...打出ヶ浜からまっしぐらに立ってきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...打出ヶ浜で、この人に恋することがなかったら、今の苦悩がない代りに、もう抜くことのできない悪事の沼に辷(すべ)りこんで、女掏摸(すり)の兇状持(きょうじょうもち)を、一生、肩に背負って、十手の先を逃げ歩いていたかもしれない、と思うことはいくたびであった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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