...それでも心の中のさびしさを打ち消すために思い入った恋人は仇(あだ)し男にそむいてしまっている...
有島武郎 「或る女」
...ジュリア君の人気に障(さわ)りますよ」と一郎が打ち消すのを...
海野十三 「恐怖の口笛」
...と打ち消すあとから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...如何(いかん)ともこれを打ち消すことはできません...
橘外男 「仁王門」
...笑うことも打ち消すこともできぬ...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...でもそんなことがあるはずはないと思って打ち消す...
谷崎潤一郎 「鍵」
...ことさらにその考を打ち消すようにして真っ直ぐ帰宅したのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それを打ち消すために...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...『私は被告の否認を打ち消すべき心理的推定並びに具体的証拠をさえも必要としませぬ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...女房は山陵のあるあたりは百舌鳥の耳原ではなくて舳の松といふ村だと打ち消すやうにいつた...
長塚節 「松蟲草」
...その全勢力を打ち消す必要はないので...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...いずれも私がここで述べた失望を打ち消すような事実を...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...私は今でも決してその時の私の嫉妬心を打ち消す気はありません...
夏目漱石 「こころ」
...博士に相談しても彼は簡単に事実を打ち消すばかりで取りつく島がない...
平林初之輔 「人造人間」
...何奴(なにやつ)かがそれを打ち消す...
広津柳浪 「今戸心中」
...私はどうしても打ち消すことが出来なくなったのです...
夢野久作 「死後の恋」
...……活溌な……万事を打ち消すような元気を横溢(おういつ)さして……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……そうしてみるみるうちに一切の現実の意識を打ち消すほどの大光明となって燃え上って来た...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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