...打ち消す事が出来なかつた...
芥川龍之介 「南京の基督」
...それでも心の中のさびしさを打ち消すために思い入った恋人は仇(あだ)し男にそむいてしまっている...
有島武郎 「或る女」
...とやはり言いにくそうにその意見を打ち消すのであった...
太宰治 「ロマネスク」
...私が一生懸命にその幻影を打ち消すように努めていると...
谷崎潤一郎 「鍵」
...ことさらにその考を打ち消すようにして真っ直ぐ帰宅したのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...女人の幻を打ち消す方法を...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...このごろの笹村の嫌厭(けんえん)の情は妻のそうした愛嬌(チャーム)を打ち消すに十分であった...
徳田秋声 「黴」
...彼の頭の中には打ち消すことの出来ない印象が刻み込まれていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...女房は山陵のあるあたりは百舌鳥の耳原ではなくて舳の松といふ村だと打ち消すやうにいつた...
長塚節 「松蟲草」
...私は今でも決してその時の私の嫉妬心を打ち消す気はありません...
夏目漱石 「こころ」
...それを打ち消すように...
火野葦平 「花と龍」
...哥薩克同士の目ざましい渡りあひの物音は打ち消すべくもなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...」「あらア! 母さん――」と彼女は真顔になつて打ち消すのである...
牧野信一 「小川の流れ」
...光りと愛を打ち消す者――悪魔の同意語なり...
牧野信一 「鬼の門」
...私はきまつて慌ててかう打ち消すのです...
水野仙子 「道」
...後生ですからおっしゃらずに」と打ち消す嫁の取りなし顔の鼻の表現...
夢野久作 「鼻の表現」
...またそれを慌てて打ち消すように...
吉川英治 「江戸三国志」
...「山鳥か何ぞでござりましょう」と打ち消すと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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