...打ち消す事が出来なかつた...
芥川龍之介 「南京の基督」
...野田はつまりませぬと打ち消す...
大町桂月 「春の郊外」
...私が一生懸命にその幻影を打ち消すように努めていると...
谷崎潤一郎 「鍵」
...それを打ち消す気持の方が遥(はる)かに強く働いていたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼の頭の中には打ち消すことの出来ない印象が刻み込まれていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...その全勢力を打ち消す必要はないので...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...私は急にそれを打ち消す訳に行かなくなった...
夏目漱石 「こころ」
...それから急に抱かなくなったじゃありませんか」健三は事実を打ち消す気もなかった...
夏目漱石 「道草」
...それを一時に打ち消すに足るほどな特徴を有していたからである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...哥薩克同士の目ざましい渡りあひの物音は打ち消すべくもなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...何奴(なにやつ)かがそれを打ち消す...
広津柳浪 「今戸心中」
...そのとき今までのどう/″\と鳴つてゐた水の音を打ち消すほど強く...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...私はきまつて慌ててかう打ち消すのです...
水野仙子 「道」
...よしゃあがれ縁起でもねえ」「おれの云いてえのはそんなことじゃあねえ」彼はそれまで饒舌(しゃべ)ったことを打ち消すように...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...そうしてその恐ろしさを打ち消すために...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...……活溌な……万事を打ち消すような元気を横溢(おういつ)さして……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...中を取って打ち消すと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...だが、奉行所の獄中においで遊ばす郁次郎様が、外をあるいているはずはない」と、自分の迷いへ、打ち消すように、言った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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