...打ち寄せる紆濤(うねり)のように跡から跡から吹き払っていった...
有島武郎 「カインの末裔」
...然うして眞夜中の潮が滿ちて來ると汝の姿はいよ/\靜かにすみ渡つて思ひ出した樣に打ち寄せる波に少し搖れる眠れる魚は驚いて一時に目覺め枝を離れて空にとび散りをどんだ光りをわきかへらせる...
千家元麿 「自分は見た」
...いつまでも尽きること無く打ち返し打ち寄せる波と違い...
太宰治 「人間失格」
...単に海岸に打ち寄せる波の遊びを見せたり...
寺田寅彦 「映画芸術」
...水は打ち寄せる赤に輝き...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「チカモーガ」
...激しく打ち寄せる波で...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...打ち寄せる大波の底を目がけて砲弾のやうに飛び込み...
牧野信一 「或る日の運動」
...八月も半ばを過ぎると浜辺に打ち寄せる波の音も秋の訪れを思わせるように私には感じられる...
宮城道雄 「耳の日記」
...向岸から打ち寄せる波が...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...その外を波の打ち寄せる海に取り巻かれてゐる都会であつた...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...削り立てたような巌石の裾(すそ)には荒浪(あらなみ)が打ち寄せる...
森鴎外 「山椒大夫」
...八方から波の打ち寄せる所で...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...打ち寄せる波が長く尾を引いて...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...どこか遠く遠くの海岸に打ち寄せるらしい深夜の潮の音が...
夢野久作 「白菊」
...恐らくその波の打ち寄せる団々とした刺戟のたびに...
横光利一 「上海」
...また絶えず石炭を積み込む荷揚ロープの緩急が打ち寄せる波の音と和して...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
...荒浪の打ち寄せる磯の大きな岩の肌に着いた海苔を板片などで搖き取つて乾すものです...
若山牧水 「樹木とその葉」
...川口を離れると昨夜の名残らしく随分大きい浪が打ち寄せる...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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