...才能のはなやかさというようなものをたよりにする男たちの蠱惑(こわく)の力は...
有島武郎 「或る女」
...殊(こと)に数学の才能にすぐれていたということです...
石原純 「ラヴォアジエ」
...東京へ來た許りの文太郎は才智も學問も自分より勝れたと信ずる春三郎の言ふ事は一も二もなく聽き...
高濱虚子 「續俳諧師」
...大門(だいもん)通りのあたりを得意に如才なく働いたこともありますが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...才之助は仰天して...
太宰治 「清貧譚」
...「天才は常に新し」と言われる所以でもあろうか...
田中英光 「箱根の山」
...――無能無才、小心にして放縦、怠惰にして正直、あらゆる矛盾を蔵してゐる私は、恥づかしいけれど、かうなるより外なかつたのであらう...
種田山頭火 「其中日記」
...貧乏な天才詩人というものは...
豊島与志雄 「反抗」
...されば菲才僕の如きものが...
永井荷風 「申訳」
...それから幾分の天才とで...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして官界遊泳術などにも如才のない人であった...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究後日譚」
...そこでは、梅子が如才なく、代助の過去に父の小言が飛ばない様な手加減をした...
夏目漱石 「それから」
...才次は渋い顔をして口を噤(つぐ)んだ...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...あやうく残酷な商業主義出版の波の下に溺れ死なされそうだった一つの力づよい才能と生活力とが...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)」
...眉や目の間に才氣が溢れて見える...
森鴎外 「ぢいさんばあさん」
...柏軒にその才の雋鋭(しゅんえい)なるを認められ...
森鴎外 「渋江抽斎」
...いかにこれらの世紀が我々の才知とはちがった才知に豊かであったかを発見する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...逢曳き宿の才取(さいと)り婆め」婆は手をやめた...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索