...金翅は其の材料がごく手近な処にあるので...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...もっと手近なところでいえば...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...先づ手近な所から始めて...
丘浅次郎 「固形の論理」
...手近なところから始めよ...
田山録弥 「私の考へてゐる事」
...それから更に蔓(つる)を延ばして手近なさんごの樹を侵略し...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...それからさらにつるを延ばして手近なさんごの木を侵略し...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...そういう例は色々ある中にも最も手近なところで若干の食物が数えられる...
寺田寅彦 「郷土的味覚」
...これについて手近なものは (Skt.)prabhまた parama でいずれも「べらぼう」の意がなくはない...
寺田寅彦 「言葉の不思議」
...短歌俳諧(はいかい)に現われる自然の風物とそれに付随する日本人の感覚との最も手近な目録索引としては俳諧歳時記(はいかいさいじき)がある...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...問題はわりに手近なものとなると共に複雑になる...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...キナ臭くなるように背打(みねうち)を喰(くら)わせ、手近なのは、小手を取ってもんどり打たせると相手は、「それッ」妙な合図を残して、蜘蛛の子を散らすように、逃げうせてしまいました...
野村胡堂 「十字架観音」
...まず一番手近なところはそんなものだ」「そのうちで一番臭いのは?」「松蔵かも知れないよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...カッとなって手近なる交通氏の手首を引ッ掴んで手荒く交番の中へ引ずりこみ...
久生十蘭 「魔都」
...つい手近な士族たちに堀大主典の目が行ったのも無理はない...
本庄陸男 「石狩川」
...手近なる所には何物も無之故...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...岡田がどんな男だと云うことを説明するには、その手近な、際立った性質から語り始めなくてはならない...
森鴎外 「雁」
...手近な机の上から生徒の教科書を取りあげて...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして手近な所にいた少年や女童(めわらべ)の肩を打ちたたいた...
吉川英治 「新書太閤記」
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