...手早く火打鎌と石とを出して...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...翌日葉子はそれでも倉地より先に目をさまして手早く着がえをした...
有島武郎 「或る女」
...昨日まで着てゐた衣服(きもの)は手早く畳んで...
石川啄木 「天鵞絨」
...――手早く話そうと言いながら...
高見順 「いやな感じ」
...外交員の中の一人が異常に手早く手早い奴を手に入れてひとりで階段に出てきはしなかつたかという問題があつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...手早く下駄の緒をすげてくれました...
土田耕平 「時男さんのこと」
...手早く障子を閉めようとすると「誰じゃ」お由羅は...
直木三十五 「南国太平記」
...そして、鏡を、手早く、行李の中へ、入れてしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...その中に入れてあった薬を手早く傍(かたえ)の紙へあけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...よし心得たと三吉さんは起き上つて手早く袴をつけ槍を取つて身構へ...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...一緒に出かけるとしよう」手早く支度をし平次が路地へ出ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...婦人は手早く帽子を冠ってヴェールを頤(あご)まで下げてしまいました...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...心がその対象に容易に手早く届かない場合...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...ああも手早く簡単に行われたということが...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...そうしてその聖書を手早く外套のポケットに辷り込まして...
夢野久作 「暗黒公使」
...手早く漁をつゞけて行つた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...この下屋敷の女中どもを一人残らず居並べておけ!酒肴(しゅこう)の用意手早くいたせよ! よいか!明日(あす)は卍(まんじ)丸の船出ゆえに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――若年者といわれたが、その若年者なるがために、わしは彼に負けたとは思わない、移っている時代に負けたと思うのだ」「と、とは申せ」「まあ待て」静かに、根来(ねごろ)のことばを抑え、また、大勢の同じ顔いろを見直して、「手早く話そう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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