...彼は時計がもう午前三時になっているのに気がつかないで側(かたわ)らの棚から手文庫を下ろした...
海野十三 「軍用鼠」
...それからこの手文庫の中の草履(ぞうり)だ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...昨夜の話を」明智は卓上の品々を手文庫の中へしまいながら紋三を促(うなが)した...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...妙子の手文庫の底深く秘めていた...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...手文庫のなかには...
薄田泣菫 「茶話」
...みんな新聞を切りぬいて手文庫へしまつて置くといふ風の男だつた...
薄田泣菫 「茶話」
...」先輩は笑いながら手文庫を持ち出し...
太宰治 「誰」
...手文庫を調べて錦の袋に入れた短刀を取り出して鞘(さや)を払ってながめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...手文庫には文殻(ふみがら)とノートがぎっしり詰っていた...
夏目漱石 「道草」
...彼(かれ)の足元(あしもと)には黒塗(くろぬり)の蒔繪(まきゑ)の手文庫(てぶんこ)が放(はふ)り出(だ)してあつた...
夏目漱石 「門」
...手文庫は御主人の前に置いてあったし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手文庫の中の二品を狙ったのなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手文庫の掛け紐の上に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其分には差し置かぬぞ」「――」手文庫の蓋(ふた)を拂つた丹之丞...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の預りました手文庫の封を切るやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手文庫から自分の入れた證文だけを拔いて行く筈はない」平次は續けました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手文庫の中から五...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そちの生国じゃ、勝手はよう弁(わきま)えておるであろうが」「はい? ……」「すぐ立て、今夜にも」「何処へで」「胴丸を買い求めに」と、嘉兵衛は、手文庫を寄せて、金をつつみ、日吉の前へ投げてやった...
吉川英治 「新書太閤記」
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