...正宗氏の作品を集めた本を手当り次第に読破して行つた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...木器(もくき)買うと言っては手当り次第に持って行くんだから...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...あきらめようと思い、胸の火をほかへ向けようとして、手当り次第、さすがのあの洋画家も或(あ)る夜しかめつらをしたくらいひどく、滅茶苦茶(めちゃくちゃ)にいろんな女と遊び狂いました...
太宰治 「斜陽」
...いつもびくびくして、自己の力を懐疑し、心の落ちつく場所は無く、お寺へかよって禅を教えてもらったり、或(ある)いは部屋に閉じこもって、手当り次第、万巻いや千巻くらいの書を読みちらしたり、大酒を飲んだり、女に惚れた真似をしたり、さまざまに工夫してみたのであるが、どうしても自分の生き方に自信を持てなかった...
太宰治 「花吹雪」
...それへ手当り次第に放り込んだのを糸で縛ってタキシへ投げ入れ...
谷譲次 「踊る地平線」
...なんでも手当り次第...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...手当り次第に飲んだ酒類の中の...
豊島与志雄 「聖女人像」
...手当り次第に人の山へ這入って取って来るのだが...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...手当り次第に掴み出して手当り次第に抛り付けるやうであつた...
平出修 「公判」
...手当り次第――誰かに向って喋(しゃべ)らずにはいられないような胸の閊(つか)えでもあった...
本庄陸男 「石狩川」
...手当り次第のものを読んで捨ててゆくという習慣になり易い弊がある...
三木清 「読書遍歴」
...責任を知らない牛肉屋はランをくれろといってもイチボをくれろといってもハイハイと承知した顔をして手当り次第に側にある切(きり)かけの肉を切ってよこすからよく注意せんととんでもない処を持って来る...
村井弦斎 「食道楽」
...彼は手当り次第問題をとらえる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手当り次第である...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...手当り次第にひろって...
吉川英治 「親鸞」
...手当り次第に引ッ裂いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――それなのになお、「畜生、畜生」と、必死になって、手当り次第に、物を取っては、武蔵へ向って投げつけて来るのは、賊の妻らしい女であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...だから読書の選択なども手当り次第で...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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