...右の手ばかり脱(ぬ)いだのを持って歩いていたのだった...
芥川龍之介 「寒さ」
...手ばかりでつくる...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...強(あなが)ち身勝手ばかり謂うんじゃない...
泉鏡花 「婦系図」
...ははは、別嬪(べっぴん)さんの、お前(めえ)さん、手ばかりが、あすこで、真白(まっしろ)にこうちらつく工合は、何の事あねえ、さしがねで蝶々を使うか、活動写真の花火と云うもんだ、見物(みもの)だね...
泉鏡花 「婦系図」
...私は一カ月ばかり捕手ばかりになつて働いていたが...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...手ばかりではありません...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...今夜の操(てすり)役は皆一流の上手ばかりを撰りすぐつて來たと云ふことであつた...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...何か事情がある段ではございません!」と私が吃驚(びっくり)するくらい無闇やたらに手ばかり振った...
橘外男 「逗子物語」
...右手ばかりでいろ/\やつてみる...
種田山頭火 「其中日記」
...どうかして左手ばかりの練習をしているのを幾間(いくま)か隔てた床(とこ)の中で聞いていると...
寺田寅彦 「春寒」
...いずれも蘭法で一家をなした大家名手ばかりであったが...
久生十蘭 「玉取物語」
...「相変らず手ばかり焼けて困ります...
堀辰雄 「菜穂子」
...誰と話すにも第一に相手ばかりを遠慮して思ふことも易々とは云へない質(たち)で憂鬱を覚へるが...
牧野信一 「歌へる日まで」
...それが女手ばかりになったら...
山本周五郎 「さぶ」
...入れ代り立ち代り小便をする味方の選手ばかりになってしまった...
夢野久作 「ビール会社征伐」
...これはいけない、暖簾(のれん)に脛押(すねお)しと思いましたが、わざと苦笑をかくして、「何をきいても知らぬ存ぜぬで、こやつめ、さては白ばッくれておるのじゃな」ホンの形ばかりに、柄頭(つかがしら)へ指をふれて見せると、「あっ――」と、手ばかり振って、逃げ腰も立て得ない可笑(おかし)さにまた苦笑して、「申せ!」「で、でも...
吉川英治 「江戸三国志」
...衣裳や刀のこしらえに派手ばかり競って浪華でも島原でも...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...人間の手ばかりが出て来て...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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