...団扇は、小さなテエブルの下に――上靴にかくれた婦人の白足袋の側に落ちてゐる...
芥川龍之介 「手巾」
...それではこの青扇だったのか...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...扇動家は民衆に向って一定の効果を収めるために...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...薄い絹張りの小団扇(うちわ)のような美しい...
中島敦 「虎狩」
...扇骨木(かなめ)の枝(えだ)に寄(よ)せ掛(か)けた手際(てぎは)が...
夏目漱石 「門」
...蘭を描いては鉄扇も適はなかつた...
野口雨情 「小川芋銭先生と私」
...大川へ飛び込んで死んでしまひます」さう言つてお扇はいくらか氣がさすものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...扇屋の寮(れう)の隣り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...でも扇風器の台に腰を掛けて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...此身になつては仕方がないと團扇(うちは)を取つて足元をあふぎながら...
樋口一葉 「にごりえ」
...小さい美しい白扇で前を隠して...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...明治中世から大正初世かけて「ムジナ」の異名で謳われた都々逸坊扇歌(先代)に至っては...
正岡容 「わが寄席青春録」
...「末枯(うらがれ)」の中の人物、田所町の丁字屋(ちやうじや)の若旦那と生れながら、親讓の店も深川の寮も、人手に渡さなければならなくなつた鈴むらさん――どういふわけでむらと平假名で書かなければならないのかわからないが、甚しくかうした事に依怙地(いこぢ)な久保田君は、鈴村さんと書いたのでは、その人物を彷彿する事が出來ないのであらう――も、せん枝も、扇朝も、さては小よしも、死んだ柏枝も、さうして又老犬エスも、その他ちらちら舞臺に出て來る程の人のすべてが、何れも此の移りゆく世の犧牲者に外ならない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...扇ヶ谷に近づいていた...
吉川英治 「私本太平記」
...扇山へあやしの者がいりこんだと聞いて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...きのうきょうの彼氏の姿があれですよ」扇谷氏がいい出した...
吉川英治 「随筆 新平家」
...劬(いたわ)ってやってくれ」湖心の扇一秘密を知っているということは恐い...
吉川英治 「茶漬三略」
...その尾羽の扇子をぱさりと一つ鳴らすと...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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