...大寒に団扇(うちは)を揮(ふる)つたりする我慢の幸福ばかりである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...白沢、黒沢、扇沢、丸石(まるいし)沢などという激流が、左右から白い泡を吹いて落ちこんでいるのを見ながら行くと、一日で大沢の小舎まで行くことが出来る...
石川欣一 「可愛い山」
...団扇(うちわ)屋は節と節との間に穴をあけた長い竹を団扇かけとして使用する...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...老人と男たちは腰掛の上にすわって無駄話をしながら大きな芭蕉団扇をゆらめかした...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...扇風機――ではないロータリー地下戦車は...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...扇持ち來りて揮毫を乞ふまゝに...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...」幸堂氏は無駄口を叩き/\古扇子(ふるせんす)の骨の間に鰯の骨を挿(はさ)んで...
薄田泣菫 「茶話」
...やはり青扇からはなんの挨拶もないのであった...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...扇子でぽんと額を打ちました...
谷崎潤一郎 「幇間」
...下へ落ちないうちに受けるのですよ」開いてあったその扇子を...
中里介山 「大菩薩峠」
...やんや」石川日向守は扇を開いて囃(はや)しております...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...彼は、それらのひとつひとつを意味もなくかぞへて眼を凝すと、渋団扇とか、歯ブラシなどまでが出窓の手すりにぶらさがつてゐるのまで見えた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...バラバラの美しい団扇か楯により他見えなかつた...
牧野信一 「鱗雲」
...扇形の皿には各別種の(さかな)を盛つてあつて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...反柳沢の運動と無関係じゃないだろう」「具体的にいえばこうなんだ」主馬は団扇をつかいながら...
山本周五郎 「山彦乙女」
...扇ヶ谷の二位どの御所(高時の側室)に仕えていた小女房の棗(なつめ)というものです……と...
吉川英治 「私本太平記」
...城(しろ)の血脈(けつみゃく)たる水の手に水がれのおそれがあろう」「扇縄(おうぎなわ)の一かくに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...これ」軍扇の骨が...
吉川英治 「茶漬三略」
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