...濃緑の扁平な蛇類は無害にも水泳する硝子の流動体は無害にも半島でもない或る無名の山岳を島嶼の様に流動せしめるのでありそれで驚異と神秘と又不安をもを一緒に吐き出す所の透明な空気は北国の様に冷くあるが陽光を見よ...
李箱 「LE URINE」
...太い腕でもって自分の扁平な胸をトントン叩くのだった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...扁平な鯛のような魚群が現われ...
海野十三 「地球発狂事件」
...明かに知る由無(な)しと雖も製法の大畧(たいりやく)は先づ板(いた)の如(ごと)く扁平なる石片(せきへん)を採(と)りて之を適宜の幅(はば)に引(ひ)き截(き)るか...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...しかし扁平な低い椅子がはやるという現象には何かしらその背後にある時代的な心理の反映が見られる...
寺田寅彦 「柿の種」
...指先の円い扁平なところで...
豊島与志雄 「守宮」
...そうして扁平な頭をぶるぶると擡げるのみで追うて人を噛むことはない...
長塚節 「太十と其犬」
...――カール・マルクス一八五〇年一月三十一日一 扁平な世界悲喜劇にはじまった飛行機の太平洋横断は...
服部之総 「汽船が太平洋を横断するまで」
...日本開港の日までシナは扁平な世界および世界市場の極東端だった...
服部之総 「汽船が太平洋を横断するまで」
...一本も毛のない扁平な顱(ろ)頂につづき...
久生十蘭 「海豹島」
...底の扁平な半球楕円形が出来上った...
久生十蘭 「魔都」
...これが扁平なんだ...
久生十蘭 「魔都」
...壜型の肩が稍扁平な壁になつて...
牧野信一 「心象風景」
...ひよいと何うかしたハズミに正面を向いたところを見ると寧ろ扁平なかたちで見違へられます...
牧野信一 「月あかり」
...箸でやっと持つ位大きく扁平な軽焼になった...
宮本百合子 「一太と母」
...襞のない扁平な頭脳ってあるもンですわね...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...これをそう呼ぶのは板のごとく扁平な粃の意ではなく...
柳田國男 「食料名彙」
...阿弥陀像の印象として残ったのは体がいやに扁平なことと眼が特に目立っていながら顔がおもしろくないことぐらいなものであった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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