...濃緑の扁平な蛇類は無害にも水泳する硝子の流動体は無害にも半島でもない或る無名の山岳を島嶼の様に流動せしめるのでありそれで驚異と神秘と又不安をもを一緒に吐き出す所の透明な空気は北国の様に冷くあるが陽光を見よ...
李箱 「LE URINE」
...この扁平なのが出たので...
海野十三 「キド効果」
...太い腕でもって自分の扁平な胸をトントン叩くのだった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...一群幾千とも知れぬ扁平な魚の群が...
海野十三 「地球発狂事件」
...白けた大きな扁平な顏を僕の方につき出して...
田畑修一郎 「南方」
...明かに知る由無(な)しと雖も製法の大畧(たいりやく)は先づ板(いた)の如(ごと)く扁平なる石片(せきへん)を採(と)りて之を適宜の幅(はば)に引(ひ)き截(き)るか...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...しかし扁平な低い椅子がはやるという現象には何かしらその背後にある時代的な心理の反映が見られる...
寺田寅彦 「柿の種」
...その基礎構造や上部構造などの区別を予め払拭した一様に扁平な諸事象として...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...扁平な白い錠剤をもてあそぶのは...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...そうして扁平な頭をぶるぶると擡げるのみで追うて人を噛むことはない...
長塚節 「太十と其犬」
...壜型の肩が稍扁平な壁になつて...
牧野信一 「心象風景」
...ひよいと何うかしたハズミに正面を向いたところを見ると寧ろ扁平なかたちで見違へられます...
牧野信一 「月あかり」
...庵は貝殻を伏せたやうな扁平な草葺屋根で池のふちに蹲つてゐた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...襞のない扁平な頭脳ってあるもンですわね...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...之をさう呼ぶのは板の如く扁平な粃の意では無く...
柳田國男 「食料名彙」
...その扁平な狭い所へもって来て...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...阿弥陀像の印象として残ったのは体がいやに扁平なことと眼が特に目立っていながら顔がおもしろくないことぐらいなものであった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...首をさし込むために洋服掛けの扁平な肩のようなざっとした框(わく)が作ってあって...
和辻哲郎 「文楽座の人形芝居」
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