...所詮は長尾(ながお)の僧都(そうず)は申すまでもなく...
芥川龍之介 「邪宗門」
...所詮は、私はまだ心境ととのはず、隨筆など書ける柄では無いのである...
太宰治 「義務」
...○所詮は、言葉だ...
太宰治 「古典風」
...所詮は、物質が燃え上るだけのことに違いないのだけれど、火事は、なんだか非科学的だ...
太宰治 「春の盗賊」
...そうは問屋が卸さんぞ! 所詮は空彈でぽんぽんやるようなものさ! そもそも俺は先刻承知なんだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...所詮は、親しい人との永別が名残り惜しいのである...
外村繁 「日を愛しむ」
...所詮は、八郎太が一手柄立てさえすればよいのではないか――こういう機――一手柄や、二手柄――」益満は、怒っているような口調であった...
直木三十五 「南国太平記」
...若者好き――所詮は...
直木三十五 「南国太平記」
...所詮は寢床の中に終るのだ...
フランツ・カフカ 中島敦訳 「罪・苦痛・希望・及び眞實の道についての考察」
...所詮はくたばれア...
中原中也 「散歩生活」
...所詮は人間のために...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...所詮はわたしの与へられた宿命に相違ないと...
牧野信一 「痩身記」
...その上に曝したわたしの眼には所詮は逃避成し難い発光体が何年来となく渦を巻いて魂をゆるがせるのであつた...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...書かぬとか力んだところで所詮は心胆の問題で...
牧野信一 「浪曼的月評」
...所詮は幕府の尻押しで正義党を押えにかかるは必条...
三好十郎 「斬られの仙太」
...」と、シベリヤの広さに驚歎したのを矢代は思い、十日余りも続くあの地の真白な世界を想像してみて、その途方もなく巨大な白い塊の中に生活して来たロシア人の表情も、所詮は、我れ識らずに退屈と戦って来た長い苦しさかも知れぬと思ったりした...
横光利一 「旅愁」
...所詮は曹操に敵しますまい...
吉川英治 「三国志」
...所詮は初めから自分は彼の敵ではなかったのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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