...然れば、私大(おほい)に仰天致し、早速下男共々、介抱仕り候所、漸(やうやく)、正気づき候へども、最早立上り候気力も無之、「所詮は、私心浅く候儘、娘一命、泥烏須如来、二つながら失ひしに極まり候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...○所詮は、言葉だ...
太宰治 「古典風」
...所詮は、親しい人との永別が名残り惜しいのである...
外村繁 「日を愛しむ」
...「斉彬公を――いや、斉彬公を調伏せんにしても、所詮は、久光殿を、お世継にしようとする大方の肚であろう...
直木三十五 「南国太平記」
...あの山をみるのも所詮は同じ...
中原中也 「雲」
...所詮はくたばれア...
中原中也 「散歩生活」
...所詮は底ぬけに小心者で...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...所詮は定義上の問題に落ちつくのだろうが...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...だれに泣きごとをならべることがあらう? 所詮は神がかういふ運命に定められたのだ! ええ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...こんな気まぐれも所詮は道化染みた大仰な身振りに過ぎぬといふ意識があつたが...
北條民雄 「道化芝居」
...書かぬとか力んだところで所詮は心胆の問題で...
牧野信一 「浪曼的月評」
...所詮は仕出しにやゝ優る役を振られるくらゐのことであつたらうが...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...所詮は相待つてジャーナリズムに乗つたのであらう...
正岡容 「大正東京錦絵」
...所詮は幕府の尻押しで正義党を押えにかかるは必定...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...所詮は人々の自然科学に対する疑問である...
横光利一 「欧洲紀行」
...」と、シベリヤの広さに驚歎したのを矢代は思い、十日余りも続くあの地の真白な世界を想像してみて、その途方もなく巨大な白い塊の中に生活して来たロシア人の表情も、所詮は、我れ識らずに退屈と戦って来た長い苦しさかも知れぬと思ったりした...
横光利一 「旅愁」
...所詮は曹操に敵しますまい...
吉川英治 「三国志」
...所詮は事にふれて...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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