...「何という無愛想なお方……」所在なくこう言って...
中里介山 「大菩薩峠」
...これも所在なく吐月峯(はひふき)ばかり叩いてゐる平次に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は所在なく雁首(がんくび)を爪繰り乍らあまり上等でない五匁玉の煙草包をほぐして居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は所在なく雁首を爪繰りながらあまり上等でない五匁玉(もんめだま)の煙草包をほぐしているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あたしが所在なくしていると...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...一人所在なく起きてゐる二階は...
長谷川時雨 「夏の夜」
...いまも所在なく思ひ出す事は初代のその頃の面影である...
林芙美子 「雨」
...ゆき子は所在なく寝床へ横になつて...
林芙美子 「浮雲」
...こんなところに所在なく腰を掛けてゐるのか...
林芙美子 「浮雲」
...私が所在なくしたように...
林芙美子 「落合町山川記」
...――午後からの公休日を所在なく消していると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...わしア所在なくて...
林芙美子 「雪の町」
...所在なく広間で大池を待っていたが...
久生十蘭 「肌色の月」
...毎日あまりに所在なく退屈さうに碌々(ごろごろ)としてゐるので...
牧野信一 「毒気」
...午過ぎになると、所在なくて、文典など読みだしたが、今までのようにかたわら人なきがごとき態度ではいられなくて、兄の足音が聞えると書物を脇へ片寄せた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...午過ぎになると、所在なくて、文典など讀みだしたが、今までのやうに傍(かたは)ら人無きが如き態度ではゐられなくて、兄の足音が聞えると書物を脇へ片寄せた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...さういふことをするほど所在なく寂しく...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...所在なくて仕方がなかった程だ...
吉川英治 「新書太閤記」
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