...平軍潰敗して南壑に走り、崖下に投じて死するもの一万八千余人、人馬相蹂み、刀戟相貫き、積屍陵をなし、戦塵天を掩ふ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...ひどく戦塵(せんじん)に汚(よご)れ窶(やつ)れた傷病兵の出迎えがあり...
徳田秋声 「縮図」
...屋根の上に立ち上ってゆく金色の戦塵(せんじん)...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...皆は幾度か立ち止まっては深呼吸をして戦塵を吐き出した...
永井隆 「長崎の鐘」
...さあ、左の方木曾路へ迷い入って、あれをはるばると行けるだけ行ってみましょうか、やがては花の九重の都に至り上ることはわかっておりますが、天子の都も、今は兵馬倥偬(へいばこうそう)の塵に汚れていると聞きました、その戦塵の中へ、かよわいかたわ者のわたくしが参ってみたとて何になりましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...多分戦塵のまだ納まらぬ山内に潜り込んで...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...H・大津の当日の奮戦振りは恰も満洲の戦塵に全く自己を忘れて戦ひ抜いてゐる日本兵士の大和魂(ザ・スピリツト・オヴ・チエリー)を目(ま)のあたりに見る慨があつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...戦塵(せんじん)の裡(うち)へ叫んでいた...
吉川英治 「上杉謙信」
...たちまち戦塵のなかへ姿を没してしまった...
吉川英治 「三国志」
...戦塵のうちを馳けまわり...
吉川英治 「三国志」
...漠々(ばくばく)の戦塵はここに揚り...
吉川英治 「三国志」
...日は出でても戦塵に晦(くら)かった...
吉川英治 「三国志」
...漠々とけむる戦塵の真先に...
吉川英治 「三国志」
...まだ諸所の屍(かばね)もかたづいていないこの生々しい戦塵(せんじん)の中へ...
吉川英治 「私本太平記」
...戦塵裡(せんじんり)に人の生血(いきち)をすすりながら働きまわったおぼえもある菊村宮内(きくむらくない)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...お変(かわ)りなくお暮(く)らしであるか」「世は戦塵濛々(せんじんもうもう)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...戦塵漠々(せんじんばくばく)と乱軍の中を馳(か)け廻って味方をなやまし...
吉川英治 「新・水滸伝」
...関ヶ原の戦塵の裡(うち)へ身を投じている...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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