...まだ一足(ひとあし)も出さぬうちに彼女の耳にはいったのは戞々(かつかつ)と蹄(ひづめ)の鳴る音である...
芥川龍之介 「馬の脚」
...但しそは戞々(かつかつ)たる独造底の作品を残す所以とは同意義にあらず...
芥川龍之介 「小説作法十則」
...かまびすしい犬の声を圧してはるかに戞々(かつかつ)たる馬蹄(ばてい)の音が...
芥川龍之介 「偸盗」
...重くて堅き大槍を其手にとりぬ(槍により 390手向ふ者をアテーネー奮然として打敗る)ヘーレー斯くて迅速に駿馬に鞭を打ちあてゝ驅れば天上もろ/\の門戞然と開かるゝ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...するとその石の一つが竹藪(たけやぶ)にあたって戞然(かつぜん)と鳴りました...
夏目漱石 「行人」
...寒光熱して、吹くは碧血、骨を掠めて、戞として鳴る...
夏目漱石 「從軍行」
...その声銅盤を戞(う)つがごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...読者の頭をグワ――ンと一撃……ホームランにまで戞飛(かっと)ばさせている……という筋書なんだがドウダイ……読者に受けるか受けないか……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...刺叉(さすまた)を戞矢(かっし)/\と斬落して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...戞と彼方にひびいてゐた――といふのである...
吉川英治 「折々の記」
...熊楠の陣刀が戞(か)っと鳴った...
吉川英治 「篝火の女」
...日ざかりの町を戞々(かつかつ)と出て...
吉川英治 「黒田如水」
...戞々(かつかつ)の駒音が...
吉川英治 「私本太平記」
...戞々(かつかつ)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...もとより虫の息なので、かすかに首を擡(もた)げるのもやっとだし、手の刀も、戞(かっ)と、自在の竹を掠(かす)めたに過ぎないが――その意志たるや、いまにも絶えなんとする気息とは反対に、恐ろしい断末の懸命なるものが、そのもがきに見てとれるのであった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...戞々(かつかつ)と...
吉川英治 「松のや露八」
...戞々(かつかつ)とそろい出した...
吉川英治 「源頼朝」
...――戞(かつ)、戞、戞、戞馬蹄(ひづめ)はそろう...
吉川英治 「源頼朝」
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