...戞々(かつかつ)として...
芥川龍之介 「芋粥」
...殊に「女性」に掲げられたる「旅順開城」等の数篇等は戞々(かつかつ)たる独創造の作品なり...
芥川龍之介 「内田百間氏」
...まだ一足(ひとあし)も出さぬうちに彼女の耳にはいったのは戞々(かつかつ)と蹄(ひづめ)の鳴る音である...
芥川龍之介 「馬の脚」
...赤地の錦の直垂に唐綾縅の鎧きて、鍬形うつたる兜の緒をしめ、重籐の弓のたゞ中とつて、葦毛の駒の逞しきに金覆輪の鞍置いて跨つたる、雄風凛然、四辺を払つて、蹄声戞々、東に出づれば、東軍の旗幟既に雲霞の如く、七条八条法性寺柳原の天を掩ひ戦鼓を打ちて閧をつくる、声地を振つて震雷の如し...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...かまびすしい犬の声を圧してはるかに戞々(かつかつ)たる馬蹄(ばてい)の音が...
芥川龍之介 「偸盗」
...をりをりかすかに聞ゆる戞々の音は...
高山樗牛 「瀧口入道」
...夜雨あり蛙声戞々...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...戞々(かつかつ)と大地を鳴らす馬蹄(ばてい)の響きが...
中里介山 「大菩薩峠」
...戞(かつ)と打つは石の上と心得しに...
夏目漱石 「薤露行」
...その声銅盤を戞(う)つがごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...何秒かの後に始めて戞然たる石が石を相打つを聞き...
室生犀星 「庭をつくる人」
...有小香國鶴避茶寮鶯逕戞玉泉等勝(せうかうこくかくひされうあうけいかつぎよくせんとうのしようあり)...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...群がり立つたる槍襖(やりぶすま)を戞矢(かつし)々々と斬り払ひ...
夢野久作 「白くれない」
...読者の頭をグワ――ンと一撃……ホームランにまで戞飛(かっと)ばさせている……という筋書なんだがドウダイ……読者に受けるか受けないか……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...戞々(かつかつ)と鳴って来る騎馬与力の蹄(ひづめ)の音さえ間近く大地を刻んで来た...
吉川英治 「剣難女難」
...戞々(かつかつ)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...凍(い)てついた道を戞々(かつかつ)と踏んでゆく馬のひづめから...
吉川英治 「八寒道中」
...戞々(かつかつ)とそろい出した...
吉川英治 「源頼朝」
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