...今の我身の果敢なく寂しく頼りなく張合のない...
石川啄木 「鳥影」
...君は何の為に行こうというの」諸戸は我身にかまけて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...世に落人の見る影もなき今の我身...
高山樗牛 「瀧口入道」
...老イヌレバ年ノ暮ユクタビゴトニ我身ヒトツト思ホユル哉(かな)その頃もう...
太宰治 「鉄面皮」
...我身にとり物を忌むことなし...
太宰治 「花吹雪」
...いっそ果知れぬ空虚の底に我身を打沈めてしまいたい衝動にかられます...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...もしや我身(わがみ)の追手(おって)かと……またしても軽いバタバタが聞えて夢中になって声をかける見物人のみならず場中(じょうちゅう)一体が気色立(けしきだ)つ...
永井荷風 「すみだ川」
...わけても最近の『文芸倶楽部(ぶんげいクラブ)』(大正四年十一月号)に出でし江見水蔭(えみすいいん)が『水さび』と題せし一篇の如き我身には取分けて興(きょう)深し...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...されば我今更となりて八重にかかはる我身のことを種(たね)として長き一篇の小説を編(あ)み出(いだ)さん事かへつてたやすき業(わざ)ならず...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...何となく我身ながらも涙ぐまるるやうにてよし...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...隣人の悲しみを我身に悲しみ...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...わが心慰めかねつ更科や姨捨山に照る月を見て月見れば千々に物こそ悲しけれ我身ひとつの秋にはあらねど中庭地白ウシテ樹ニ鴉棲ム...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...術もなし法もなし正直は我身の守り...
樋口一葉 「大つごもり」
......
樋口一葉 「闇桜」
...不意(ふい)に彼は我と我身を奮(ふる)ひ起たせようとする樣子だつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...という東洋の適切な形容のことばを我身にひきそえて感じた人々は...
宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
...縦令(よしや)我身は食(くら)はずとも...
森鴎外 「舞姫」
...我身の常ならぬが漸くにしるくなれる...
森鴎外 「舞姫」
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