...マカロフがおほいなる名も我身の熱涙に...
石川啄木 「詩」
...余は我身一つの進退につきても又た我身に係(かゝは)らぬ他人の事につきても果断ありと自ら心に誇りしが云々(一四頁上段)余は守る所を失はじと思ひて己(おの)れに敵するものには抗抵すれども友に対して云々(一二頁上段)此(この)果断と云ひ抗抵と云ひ...
石橋忍月 「舞姫」
...」果せる哉(かな)、礼之進が運動で、先生は早や平家の公達(きんだち)を御存じ、と主税は、折柄も、我身も忘れて、「はい、」と云って、思わず先生の顔を見ると、瞼(まぶた)が颯(さっ)と暗くなるまで、眉の根がじりりと寄って、「大きに、お世話だ...
泉鏡花 「婦系図」
...現在の我身の境遇を胴忘れしてしまっていた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...我身の危険などは顧みず...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...我身は、この雪よりも、早く消ゆる身也...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...我身悉に傷はえつと申す...
高木敏雄 「比較神話学」
...つらつら數ならぬ賤しき我身に引較(くら)べ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...老イヌレバ年ノ暮ユクタビゴトニ我身ヒトツト思ホユル哉その頃もう...
太宰治 「右大臣実朝」
...もしや我身(わがみ)の追手(おつて)かと………又(また)しても軽いバタ/\が聞(きこ)えて夢中になつて声をかける見物人のみならず場中(ぢやうちゆう)一体が気色立(けしきだ)つ...
永井荷風 「すみだ川」
...何となく我身ながらも涙ぐまるるやうにてよし...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...わが心慰めかねつ更科や姨捨山に照る月を見て月見れば千々に物こそ悲しけれ我身ひとつの秋にはあらねど中庭地白ウシテ樹ニ鴉棲ム...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...我身の魂でなければならないはずの妻にむかって...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...我身が頓死(とんし)する法は無きかと目は御新造が起居(たちゐ)にしたがひて...
樋口一葉 「大つごもり」
...我身の上にも知られまするとて物思はしき風情(ふぜい)...
樋口一葉 「にごりえ」
...そして見る/\うちに蝋燭のやうな我身が煙りと化して行く想ひに引きずられて行つたが...
牧野信一 「鬼の門」
...月見れば千々に物こそ悲しけれ我身一つの秋にはあらねどといふ歌は最も人の賞する歌なり...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...何故に?我身のいとしさ故...
宮本百合子 「大いなるもの」
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