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饗庭篁村 「木曾道中記」
...東京(とうきやう)の或る固執派(オルソドキシカー)教会(けうくわい)に属(ぞく)する女学校(ぢよがつかう)の教師(けうし)が曾我物語(そがものがたり)の挿画(さしゑ)に男女(なんによ)の図(づ)あるを見(み)て猥褻(わいせつ)文書(ぶんしよ)なりと飛(と)んだ感違(かんちが)ひして炉中(ろちう)に投込(なげこ)みしといふ一ツ咄(ばなし)も近頃(ちかごろ)笑止(せうし)の限(かぎ)りなれど...
三文字屋金平 「為文学者経」
...この古美術品を我物として愛撫したかったのです...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...いわく「俗悪なる見解が如何に我物顔に横行せるかを見よ……彼等にあっては現段階の事象に対する暴露的批判が小児病的鋭舌をもって試みられてはいる...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...殆ど土佐派を眇視して自由黨を我物顏に振舞ひ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...春の朧夜(おぼろよ)を我物顔(わがものがお)に咽喉(のど)一杯の声張上げて投節(なげぶし)歌ひ行くなるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...この物騒な江戸の町の深夜を我物顔(わがものがお)に...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし今の彼は我物顔に子供を抱いている細君を...
夏目漱石 「道草」
...イムバネスが我物顔(わがものがお)に声をかけた...
水野葉舟 「帰途」
...『曾我物語』には曾我兄弟の母が兄弟の父より前に京の人に相馴れて生んだ異父兄京の小次郎を祐成(すけなり)がその父の復仇に語らい掛くる事あり...
南方熊楠 「十二支考」
...子供多く設けたは愛憎が尽きる(『曾我物語』四の九...
南方熊楠 「十二支考」
...次第に我物顔に立ち振舞うようになる...
森鴎外 「雁」
...人の物と我物との別に重きを置かぬ...
森鴎外 「渋江抽斎」
...左側に近頃(ちかごろ)刈り込んだ事のなさそうな生垣を見て右側に広い邸跡(やしきあと)を大きい松が一本我物顔に占めている赤土の地盤を見ながら...
森鴎外 「鼠坂」
...かしこなる高き境の我物にのみなれればなり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...二重に我物になるわけだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そして己の目を我物にして使って...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...曾我物語からあの兄弟の歌をとろうと思うとそれしかなかった...
柳田国男 「故郷七十年」
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