...東京(とうきやう)の或る固執派(オルソドキシカー)教会(けうくわい)に属(ぞく)する女学校(ぢよがつかう)の教師(けうし)が曾我物語(そがものがたり)の挿画(さしゑ)に男女(なんによ)の図(づ)あるを見(み)て猥褻(わいせつ)文書(ぶんしよ)なりと飛(と)んだ感違(かんちが)ひして炉中(ろちう)に投込(なげこ)みしといふ一ツ咄(ばなし)も近頃(ちかごろ)笑止(せうし)の限(かぎ)りなれど...
三文字屋金平 「為文学者経」
...初めは外国人のみが我物顔に振舞って...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...殆ど土佐派を眇視して自由黨を我物顏に振舞ひ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...しかし今の彼は我物顔に子供を抱いている細君を...
夏目漱石 「道草」
...此處へ入つて錢箱の蓋(ふた)をあけ我物顏に小判を眺めて喜んで居たから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我物顏に振舞ふとでも思つたのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...相變らずの調子で我物顏に掻き廻すが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...『曾我物語』や、『平家』や、『太平記』や、ないしはまた足利時代に流行した『秋夜長物語』の類にも通暁した...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...ところせましと我物顔に跳ね廻っている...
久生十蘭 「魔都」
...『曾我物語』に、仁田忠常が頼朝の眼前で仕留めた「幾年経るとも知らざる猪がふしくさかく十六付きたるが」とは誤写で、何とも知れがたいが、多分何かの木が生えていたとあったのかと思う...
南方熊楠 「十二支考」
...次第に我物顔に立ち振舞うようになる...
森鴎外 「雁」
...左側に近頃(ちかごろ)刈り込んだ事のなさそうな生垣を見て右側に広い邸跡(やしきあと)を大きい松が一本我物顔に占めている赤土の地盤を見ながら...
森鴎外 「鼠坂」
...6485あれを我物にした人は...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...その場所々々を我物にしてまいりました...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一旦(たん)我物にした女だからというので...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...余は信ず、今日に於て我文明をして、有効のものであらしめ、活気あるものであらしめ、永続するものであらしめんとせば、現時の行掛りなる物質的開化の建造と共に更に高尚なる精神的開化の建造に我歩武を向けざるべからずと、更に之を換言すれば、器械備付(そなへつけ)の業、略々(ほゞ)成れるを以て更に之を使用すべき人物養成に向はざるべからずと、蓋(けだ)し今日の急務実に此一点に存す焉、若し我国をして国会開設の当時に於て慷慨にして而も沈摯(ちんし)なるハンプデンの如きもの一人(いちにん)だにあらしめば吾人は如何に気強からずや、我商業世界に於て独立、独行、良心を事務に発揮する資本家多からしめば、吾人は如何に安心ならずや、我が宗教世界に於て、昔し欧洲に在て震天動地の偉功を奏せし宗教改革諸英雄の如き人傑あらしめば吾人は如何に頼母敷(たのもし)からずや、而(しか)して顧みて実際を見るに、政治の世界は壮士を使用する者に蹂躪(じうりん)せられんとし、宗教家は徒(いたづ)らに博識を衒(てら)ふところの柔紳士となり了せんとす、我霊界も、我物界も、真俗二諦共に是れ風に吹かるゝ蘆底(ろてい)の人物を以て充されんとす、吾人は之が為に浩歎を発せざるを得ず、吾人は之が為に益々人物養成の必要を感ぜざるを得ず...
山路愛山 「英雄論」
...「曾我物語」が得意で御前講演の栄を得た...
山本笑月 「明治世相百話」
...知識と情※(じやうねつ)と血と汗とを集めた労働の結果である財力を奪つて我物(わがもの)の如(ごと)くに振舞つてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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