...この古美術品を我物として愛撫したかったのです...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...今まで何んの彼のと我物顔に民衆芸術を説いていた人達には...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...中生代に天下を我物顔に横行したイクチオサウルスやプレシオサウルスが僅に一時代限りで滅び失せたのも...
丘浅次郎 「人類の将来」
...初めは外国人のみが我物顔に振舞って...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...よそよそしいものを我物顔(わがものがお)にしゃべって歩くのです...
夏目漱石 「私の個人主義」
...此處へ入つて錢箱の蓋(ふた)をあけ我物顏に小判を眺めて喜んで居たから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我物顏に振舞ふとでも思つたのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我物顏に帳場に坐つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お勝手を我物顏にして居る樣子を見るまでもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...『曾我物語』や、『平家』や、『太平記』や、ないしはまた足利時代に流行した『秋夜長物語』の類にも通暁した...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...まだ外人が我物顔に振舞っているのが目ざわりになることもあるが...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...左側に近頃(ちかごろ)刈り込んだ事のなさそうな生垣を見て右側に広い邸跡(やしきあと)を大きい松が一本我物顔に占めている赤土の地盤を見ながら...
森鴎外 「鼠坂」
...我物になると思っていなさるのだろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...かしこなる高き境の我物にのみなれればなり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...二重に我物になるわけだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一旦(たん)我物にした女だからというので...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...余は信ず、今日に於て我文明をして、有効のものであらしめ、活気あるものであらしめ、永続するものであらしめんとせば、現時の行掛りなる物質的開化の建造と共に更に高尚なる精神的開化の建造に我歩武を向けざるべからずと、更に之を換言すれば、器械備付(そなへつけ)の業、略々(ほゞ)成れるを以て更に之を使用すべき人物養成に向はざるべからずと、蓋(けだ)し今日の急務実に此一点に存す焉、若し我国をして国会開設の当時に於て慷慨にして而も沈摯(ちんし)なるハンプデンの如きもの一人(いちにん)だにあらしめば吾人は如何に気強からずや、我商業世界に於て独立、独行、良心を事務に発揮する資本家多からしめば、吾人は如何に安心ならずや、我が宗教世界に於て、昔し欧洲に在て震天動地の偉功を奏せし宗教改革諸英雄の如き人傑あらしめば吾人は如何に頼母敷(たのもし)からずや、而(しか)して顧みて実際を見るに、政治の世界は壮士を使用する者に蹂躪(じうりん)せられんとし、宗教家は徒(いたづ)らに博識を衒(てら)ふところの柔紳士となり了せんとす、我霊界も、我物界も、真俗二諦共に是れ風に吹かるゝ蘆底(ろてい)の人物を以て充されんとす、吾人は之が為に浩歎を発せざるを得ず、吾人は之が為に益々人物養成の必要を感ぜざるを得ず...
山路愛山 「英雄論」
...知識と情※(じやうねつ)と血と汗とを集めた労働の結果である財力を奪つて我物(わがもの)の如(ごと)くに振舞つてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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