...自分の意識を占領する者は常に恐怖不安矛盾の情調であつて崇高(エルハーベン)の感情は遂に成立しないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...もはや地球人類の間に呉越同舟だなんて見方は成立しないのである...
海野十三 「地球発狂事件」
...まず共謀と言う事は成立しないからだ...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...上の規則は成立しないで...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...これなくしては芸術の人類性が成立しない...
高村光太郎 「永遠の感覚」
...一向に恋愛が成立しないという事の例証である...
太宰治 「チャンス」
...それだけでは決して付け句は成立しない...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...併しそれと共に因果律が成立しないということを強制的に意識することも出来ない...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...何となればもし次元者と仮想されたものが真に単一者であるならば次元は成立しない...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...それ故之を理由として哲学のイデオロギー性格を否定する根拠は成立しない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...専ら反省的な意味でしか成立しない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...又初めから縁切りされるということの成立しない関係なのだから...
戸坂潤 「社会時評」
...一を欠けば他は成立しない...
豊島与志雄 「生活について」
...一手一手の得失と終局の勝負を忘れてしまっては碁が成立しないけれども古碁名局を置くとなればそれは自分の得失ではなく...
中勘助 「独り碁」
...本来観照なしに成立しないことは勿論(もちろん)である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...(でなければ始めからこの命題は成立しない...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...妻に対する正当防衛は成立しないわけであるが...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...なぜなら春が寒いといふ事象の外この場合何もないので本来なら歌は成立しない筈である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
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