...我等が成心を捨てて外國の文物を研究するとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...初めは無論何の成心があった訳ではなかった...
江戸川乱歩 「心理試験」
...成心をもって自然に近づく思想家――詩人すらそうである――よりも...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...これは美しく作るという成心を作者が持ち易いためではないかと思う...
高村光太郎 「自作肖像漫談」
...初から神は人なりというような臆見成心を有っていて...
津田左右吉 「神代史の研究法」
...批評でも書いてみようという成心を持っていない...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...事実人々は或る成心を以て或る理論的結果を招くべく計画する時...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...宗教家によって――彼は凡てを信仰に関係づけて理解しようとする実践的成心を持っている――信仰の欠乏として性格づけられ...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...この理論的計画は個人の任意の成心によって立てられるのではなくて...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...「幼き愛」などというあんな成心あって拵えた詩なんか...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...忘られぬままに若い人の心に強い根を張らせひそかに成心を植えつけて...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...あらかじめ人を陥(おとしい)れようとする成心の上に打ち立てられた職業である...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...『万葉集』巻四に「三熊野之浦乃浜木綿百重成心者雖念直不相鴨(みくまぬのうらのはまゆふももへなすこころはもへとただにあはぬかも)」という柿本人麻呂の歌がある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...彼には今決して少しばかりも成心があるのではなかつた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...まことや成心は悟の道の稻麻竹葦(たうまちくゐ)にして...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...成心あらせじと願ひて...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...沒成心なればなり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...成心なく虚心坦懐(きょしんたんかい)にその生きた現実と取組むことこそ...
矢部貞治 「政治学入門」
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