...あなたの前にはきっと姿を見せますよ」「成る程」係長が云った...
大阪圭吉 「坑鬼」
...でもそうすると、よくも縄で縛った位の事で逃げなかったものだ――犯人がカーブの地点を利用したのは、成る程、縛ってある豚を機関車に発見されて停車されるのを恐れたからだろうが、それでも、豚公の方では近附く轟音に驚いて、そんな藁縄位切ってしまいそうなものだ――」と、それから助役は、もうこの現場にはこれ以上の収穫がないと思ったのか、案内役へ、豚を盗まれた農家を訪ねたい旨を申出ました...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...貸間とは云うものの、母屋(おもや)から独立した平家建ての一棟(ひとむね)で、八畳と四畳半の座敷の外に、玄関と湯殿と台所があり、出入口も別になっていて、庭から直(す)ぐと往来へ出ることが出来、植木屋の家族とも顔を合わせる必要はなく、これなら成る程、二人が此処(ここ)で新世帯を構えたようなものでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...成る程思い中(あた)るのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...成る程、見ていると、ぴったり頭を畳へ擦り付けて、するすると裾をくぐり抜けて這入る...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...成る程、見てゐると、ぴつたり頭を畳(たたみ)へ擦(す)り付けて、する/\と裾(すそ)をくゞり抜けて這入る...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...俺のいうことも聞くか?――成る程」小藤次は...
直木三十五 「南国太平記」
...鼻ぺちゃだ――成る程ねえ...
直木三十五 「南国太平記」
...下手人の顏見知りの者がほしい」「誰です、その下手人は?」「阿波屋浪太郎だよ」「あツ、成る程、房州へ行つたといふのは嘘で」「當り前だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...成る程」「目黒から川崎へ回つた時も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小耳に挟んでおりましたけに……十一日は藤六の命日で御座いますけに……」「成る程……カンがええのう」「それがで御座います...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...成る程……われわれ非人風情には寄っても付けぬ初耳の話じゃ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...お余りをタンマリと頂戴しましたもので……」「成る程……」「ところがそのアトで勝手口の塵埃箱(ごみばこ)を覗いてみますと...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...成る程この街で、一番珍しい奇妙な風体(なり)をしている、一番長生(ながいき)の白髪頭の老人を見付け出して、その人の身の上話しを聞かしてもらえば、屹度(きっと)面白い新規の話を聞く事が出来るに違いない...
夢野久作 「白髪小僧」
...いいですか……」「成る程...
夢野久作 「戦場」
...何のお話で……」「アタマが悪いのう君は……イクラか蓄膿症の気味があるんじゃないか君は……それともアデノイドか……」「そんな事は絶対に御座いません」「成る程...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...お金は本当にないのだから」村の人たちはこれを聞くとみんな憤(おこ)って家中を探しましたが、成る程、坊さんの言う通り何処を探してもお金は一文もありません...
夢野久作 「ツクツク法師」
...暖(ぬく)い暖い」「成る程なあ...
夢野久作 「眼を開く」
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