...そうして今更ながらあまりにひどい思想の懸隔が気味わるくも思はれるのであつた...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年五月号)」
...男女の間に尊卑の懸隔あり(女尊男卑)...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...美妙が忽ち背(そむ)いて孤立したのが二者の成功を著るしく懸隔さした一つの原因であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...餘りに遠く懸隔せる哉...
大町桂月 「白河の關」
...桑は貧富の懸隔(けんかく)が甚しいのですぐ蓮香の言葉に従うことができなかった...
田中貢太郎 「蓮香」
...映画に現われる「機械」の真実不真実による価値の懸隔である...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...以上の比例の懸隔は...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...あまりに大なる懸隔があった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...御話の面白さもまたこの服装の相違くらい懸隔(けんかく)しているかも知れませんから...
夏目漱石 「中味と形式」
...彼女はまるで身分の懸隔でもある人の前へ出たような様子で...
夏目漱石 「道草」
...あるいは西といえば如何(いか)にも両者の間に懸隔(けんかく)あるように聞(きこ)ゆる...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...三人の歩みはだんだん早くなつて私との懸隔が余程離れました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...兎に角齡の懸隔は小さからう筈が無い...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...いったいこの懸隔はどうして生じて来るだろう...
森鴎外 「高瀬舟」
...己は此時鳩と鴎との懸隔に心附いて...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...王に対して十分の懸隔と服従とを示すために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...貧富の懸隔のみあって平等がない...
柳宗悦 「工藝の道」
...懸隔(かけへだ)てがある...
吉川英治 「新書太閤記」
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