...ヰッテンベルグ・プラッツの辺で吾々を擁する夜鷹の群と――ブラインドをおろした密室で裸踊りのはてに行はれるといふ現代欧羅巴の好色と――何といふ甚しい懸絶であらう...
阿部次郎 「帰来」
...眞正のドン・ホアンの品位の懸絶は此處に基くのではないだらうか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...器の大小の點に於ける懸絶は必ずしもその問題に於ける一致を妨げない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...近く日本内にても懸絶致し候事...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...なおその姿の懸絶に動かされないわけにはゆかない...
中里介山 「大菩薩峠」
...人だ!あのまた懸絶のところを...
中里介山 「大菩薩峠」
...己(おのれ)と余りにも懸絶(けんぜつ)した相手の大きさに圧倒(あっとう)されていたのである...
中島敦 「弟子」
...はるかに懸絶した...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...渓間(けいかん)の懸絶(けんぜつ)するに逢(あ)へば...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...両者の間隔がはなはだしく懸絶するときは...
夏目漱石 「草枕」
...けれども汽車に見逃してはならない運動というものがこの写真のうちには出ていないのだから実際の汽車とはとうてい比較のできないくらい懸絶していると云わなければなりますまい...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...つまり君と僕とはそれだけ懸絶しているんだから仕方がないと跳(は)ねつけられればそれまでだが...
夏目漱石 「明暗」
...人間の境遇もしくは位地(いち)の懸絶といったところで大したものじゃないよ...
夏目漱石 「明暗」
...記憶もしも一人の男がこの世から懸絶したところに...
原民喜 「画集」
...かくの如き大小相懸絶せる品を取てこれを一属に収む...
牧野富太郎 「植物記」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...他所と懸絶した地点の小家の牝猫が...
南方熊楠 「十二支考」
...実は人に取ってこそ他所と懸絶なれ...
南方熊楠 「十二支考」
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