...さうしてその茶席の軒(のき)へ額(がく)でも提灯(ちやうちん)でもべた一面に懸けるが好(よ)い...
芥川龍之介 「京都日記」
...夕日が最後の光を懸ける……...
石川啄木 「赤痢」
...矢張私許り目懸けるのであつた...
石川啄木 「二筋の血」
...本校分校合せて五人の教師が揃つて出懸ける事になつた...
石川啄木 「道」
...亭主と女学生についての描写をもせいぜい細かくお目に懸けることに致しましょう...
太宰治 「女の決闘」
...都合で僕から浜屋の女将へ電話を懸けるなり手紙を出すなりして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼女はいったい身嗜(みだしな)みに金を懸ける方であったのに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あの金をちりばめた壁はあの女の肖像を懸ける場所ではない...
ボードレール 富永太郎訳 「計画」
...一人のTBに渡すハーフの一擲は十四のラガーに呼懸ける「見えざる関係の構成」でなくてはならない...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...此時まで臺ランプの下で右の肘を突いて身體を横にして聞いて居た客は徐ろに起きて一つ殘つて居た汁粉の碗へ手を懸ける...
長塚節 「開業醫」
...徒歩で車のあとを追い懸けるのは余り下品すぎる...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...外套を懸ける釘まで抜いて行っちまいますからね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...頗(すこぶ)る智慧(ちま)才覚が有ッてまた能(よ)く智慧才覚を鼻に懸ける...
二葉亭四迷 「浮雲」
...把手(ハンドル)とすれ/\に着いてゐるサドルに懸けると両膝のかたちがバツタのやうに曲つて...
牧野信一 「写真に添えて」
...これをオイカケというは緒を懸ける義で...
南方熊楠 「十二支考」
...外したまま懸けるを忘れ...
吉川英治 「上杉謙信」
...夏座敷の床の間にわざと雪景山水を懸ける流儀もあるやに聞く...
吉川英治 「随筆 新平家」
...私は幸に身体を凭せ懸ける所を持っていたのでよかったが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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