...肘を懸ける所にも...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...夕日が最後の光を懸ける……...
石川啄木 「赤痢」
...出懸ける時に甲田の卓(つくゑ)の前へ来て...
石川啄木 「葉書」
...ふと例の煙草屋の金歯の亭主が、箱火鉢を前に、胸を反らせて、煙管(きせる)を逆に吹口でぴたり戸外(おもて)を指して、ニヤリと笑ったのが目に附くと同時に、四五人店前(みせさき)を塞いだ書生が、こなたを見向いて、八の字が崩れ、九の字が分れたかと一同に立騒いで、よう、と声を懸ける、万歳、と云う、叱(しっ)、と圧(おさ)えた者がある...
泉鏡花 「婦系図」
...徒然(つれづれ)らしい声を懸ける...
泉鏡花 「海異記」
...すぐに出懸けるからと前提して...
海野十三 「暗号数字」
...いま上長と戴いている先輩諸氏に迷惑などを懸けることになっては僕として本当に立つ瀬がないのだ...
海野十三 「深夜の市長」
...諸君は諸君の評判を諸君の提供する食事に懸ける必要はないのだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...亭主と女学生についての描写をもせいぜい細かくお目に懸けることに致しましょう...
太宰治 「女の決闘」
...直接病院へ懸けるのは差控えて貰(もら)いたいこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...山県君!」と下から声を懸ける...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...路の傍に田舎(ゐなか)には何処にも見懸ける不潔な肥料溜(こやしだめ)があつて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...美しい玉簾を宙に懸ける...
豊島与志雄 「自由人」
...それが今日こゝに御目に懸ける六册の本であります...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...四十九日の間は昼夜とも水の乾かぬように間断なく水を懸ける...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...姉がまた壺へ手を懸ける...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その御母堂なるものが偉大なる鼻の所有主(ぬし)でね……」迷亭が半(なか)ば言い懸けると...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...私の出懸ける旅は多く先ず心を遣(や)るための旅である...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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