...現實の眞相を知れる者は人生に此の如き無邪氣なる信頼を懸けることが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...夕日が最後の光を懸ける……...
石川啄木 「赤痢」
...剛い言葉一つも懸けるられずに育つた爲めか...
石川啄木 「二筋の血」
...だから話懸ける隙もないのだった...
海野十三 「地球発狂事件」
...諸君は諸君の評判を諸君の提供する食事に懸ける必要はないのだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...亭主と女学生についての描写をもせいぜい細かくお目に懸けることに致しましょう...
太宰治 「女の決闘」
...直接病院へ懸けるのは差控えて貰(もら)いたいこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...即ち敵を殺して其の死骸を懸ける樹に不自由はなからう...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...美しい玉簾を宙に懸ける...
豊島与志雄 「自由人」
...帆も懸けることは懸けるが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...此時まで臺ランプの下で右の肘を突いて身體を横にして聞いて居た客は徐ろに起きて一つ殘つて居た汁粉の碗へ手を懸ける...
長塚節 「開業醫」
...暇を拵へては釣竿擔いで出懸ける同僚もあるんだが...
長塚節 「教師」
...波が其巌を越えてざらりと白い糸を懸ける...
長塚節 「隣室の客」
...自分の気に入った枝だけに袋を被(かぶ)せて大事を懸ける小刀細工(こがたなざいく)と一般である...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...傾けたる顔と共に前に出して年嵩(としかさ)なる人の肩に懸ける...
夏目漱石 「倫敦塔」
...外套を懸ける釘まで抜いて行っちまいますからね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...お勢の親を麁末(そまつ)にするのまでを文三の罪にして難題を言懸ける...
二葉亭四迷 「浮雲」
...これをオイカケというは緒を懸ける義で...
南方熊楠 「十二支考」
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