...その鹿叉は帽子や鞭や拍車を懸ける用をなしてゐた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...懸ける首と思っていますから...
芥川龍之介 「藪の中」
...肘を懸ける所にも...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...本校分校合せて五人の教師が揃つて出懸ける事になつた...
石川啄木 「道」
...なかなか焼石へ如露(じょろ)で振懸けるぐらいに過ぎますまい...
泉鏡花 「婦系図」
...二重に曲げ手首に懸けるやうな...
薄田泣菫 「茶話」
...道徳の首に賞金を懸けるやうなものです...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...亭主と女学生についての描写をもせいぜい細かくお目に懸けることに致しましょう...
太宰治 「女の決闘」
...自席のまえの欄干へ懸ける...
谷譲次 「踊る地平線」
...その若いロシア人達も始めは気にでも懸けるやうに私達の舟から上つて行くのを立留つて見てゐたりしましたが...
田山録弥 「一少女」
...それが今日こゝに御目に懸ける六册の本であります...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...即ち肚据えて十分に出来ることだけをするやうに心懸けるに如くまい...
中原中也 「近頃芸術の不振を論ず」
...夫子(ふうし)自身がぬすっとうに成っても追い懸けるつもりと見えて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あんな女房(かみさん)連の作りばなしなんか気に懸けるんぢやないよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...頗(すこぶ)る智慧(ちま)才覚が有ッてまた能(よ)く智慧才覚を鼻に懸ける...
二葉亭四迷 「浮雲」
...平坦なる途を選んで誤り無き事を心懸ける作家でなく...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...家中の衆議に懸けるまでもなく申し渡したのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...夏座敷の床の間にわざと雪景山水を懸ける流儀もあるやに聞く...
吉川英治 「随筆 新平家」
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