...晩飯でも食って出懸ける所を見ると...
有島武郎 「かんかん虫」
...他人に迷惑を懸けるのは大嫌ひで...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...主『合せ方(引懸けるを合せといふ)といふて...
石井研堂 「元日の釣」
...今夜も出懸けるのかえ...
石川啄木 「菊池君」
...夕日が最後の光を懸ける……...
石川啄木 「赤痢」
...ふと例の煙草屋の金歯の亭主が、箱火鉢を前に、胸を反らせて、煙管(きせる)を逆に吹口でぴたり戸外(おもて)を指して、ニヤリと笑ったのが目に附くと同時に、四五人店前(みせさき)を塞いだ書生が、こなたを見向いて、八の字が崩れ、九の字が分れたかと一同に立騒いで、よう、と声を懸ける、万歳、と云う、叱(しっ)、と圧(おさ)えた者がある...
泉鏡花 「婦系図」
...御天守にあるお道具を一と品取って参りましてお目に懸けるでござりましょう...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...都合で僕から浜屋の女将へ電話を懸けるなり手紙を出すなりして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...電話を懸ける折も得られずに夜を更(ふ)かしてしまったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...見舞の電話一つ懸けるのではなかったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...神楽坂(かぐらざか)に散歩に出懸けるのにも幾組か邂逅(でっくわ)した...
田山花袋 「蒲団」
...一人のTBに渡すハーフの一擲は十四のラガーに呼懸ける「見えざる関係の構成」でなくてはならない...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...此時まで臺ランプの下で右の肘を突いて身體を横にして聞いて居た客は徐ろに起きて一つ殘つて居た汁粉の碗へ手を懸ける...
長塚節 「開業醫」
...つぎ竿の先で辛うじて梯子の一端を「幸福を宿す木」が私達のために緑の翼を拡げてゐる樅の枝に懸けることが出来ました...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...八の女毎度馴々(なれなれ)しく物言い懸ける...
南方熊楠 「十二支考」
...快活な風でよく話を仕懸ける人である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...外したまま懸けるを忘れ...
吉川英治 「上杉謙信」
...微かながら一縷(いちる)の望(のぞ)みを生に懸ける心理がどこかにあったとすれば...
吉川英治 「黒田如水」
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