...懐中物を忘れちゃった!...
...彼はいつも懐中物を持ち歩いている...
...懐中物は役立つこともあるけど、邪魔になることもある...
...懐中物を手放すことができない人もいる...
...今や懐中物はスマートフォンに置き換わっている人も多い...
...葉子はわき目にもこせこせとうるさく見えるような敏捷(すばしこ)さでそのへんに散らばっている物を、手紙は手紙、懐中物は懐中物、茶道具は茶道具とどんどん片づけながら、倉地のほうも見ずに、「きのうの約束じゃありませんか」と無愛想(ぶあいそ)につぶやいた...
有島武郎 「或る女」
...女中を呼んで払ひのために懐中物を出しにかゝつた時...
有島武郎 「骨」
...ほッと酒が色に出ると、懐中物を懐へ、羽織の紐を引懸けて、ずッと立った...
泉鏡花 「婦系図」
...其間には車掌が『御懐中物の御用心!』と号令を掛ける...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...「おや」「どうかなさいましたか」「たしかに持って参った懐中物が」「お懐中物が? それはそれは」「おやおや...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれは歩兵さん方でございます、はじめに参りましたのが土屋様のお邸の歩兵さん、あとから鉄砲を持って参りましたのが西丸の歩兵さん、今にもこれへ押上って参ることと思います、お腰の物、お懐中物、残らず次へ持参致させました」「小癪(こしゃく)にさわる奴共」とおこったけれども、彼等を相手に争う気にもなれません...
中里介山 「大菩薩峠」
...打ち倒したがんりきの傍に山崎譲がよって来て、仰向けに倒れていたのを、比目魚(ひらめ)を置き返すように、俯伏しにひっくり返してその帯を取り、着物を剥ぎ、懐中物、胴巻まですっかり取り上げて、本当の裸一貫として、その後――両手ではない片手を、十分にひろげたところへ、例の六尺棒を裏へあてがって、手早く棒縛りを試みてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして全く動けないようにして、また比目魚を置き返すように表を返して、大道の真中へ、置きっ放し、「誰も手をつけると承知しねえぞ」こういって山崎譲は、がんりきから剥ぎ取った着物、持物、その懐中物、胴巻に至るまで、一切まとめて小脇にかいこみ、ふらりとその場を行ってしまいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は先ず何気なく懐中物を胸の所で開けて...
夏目漱石 「それから」
...人の懐中物などを狙う人柄とはどうしても思えません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「懐中物の無事な顔を見ないうちは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「懐中物は?」「百も持っちゃ居ませんよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「君の懐中物は先ほどの耳打の際に既に被告の手に渡りました...
穂積陳重 「法窓夜話」
...持物は鳶色(とびいろ)ごろふくの懐中物...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...懐中物を取上げてみると案の定...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...浅草観世音の境内で懐中物と一所に掏(す)られてしもうたと云うのじゃ」「ハハア...
夢野久作 「斬られたさに」
...アレもう大様(おおよう)にご懐中物を解いていらッしゃる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...武士の懐中物をかすめるとは大胆な女(やつ)じゃ」「ア痛(つ)ッ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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