...生前會つておくべき人に會はずにしまつたといふ憾みを覺えることが深い...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...その根底において堅実を欠く憾みがある...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...手がとどかぬ憾みがあつたらうし...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...大河内氏流の農村工業化論と「科学主義」工業説とを検討する余裕のないのみ憾みとする)...
戸坂潤 「技術的精神とは何か」
...恐らく針小棒大の憾みがあるだろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...どれに就いても手不足の憾みが深い...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...私はそれを憾みとはしなかった...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...充分に手足をのばせない憾みはあっても...
豊島与志雄 「女人禁制」
...私のうちに在る遊蕩的な悪魔は、あらゆる女性を享楽するの機会を得ないことに、不満を感じはしなかったが、あらゆる女性を享楽出来ない身分に置かれてるのを、憾みとした...
豊島与志雄 「理想の女」
...もう今夜はこれ限りであつたにしたところで憾みもないと思ひながら少なからぬ滿足を以て心安くまた寢た...
長塚節 「利根川の一夜」
...その時更に憾みがましい守吉の叫ぶ...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...首相や皆さんには憾みはない...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...そんなことを憾みがましく云ひ放つた...
牧野信一 「山彦の街」
...憾みを続けるやうなことは一切なかつた...
牧野信一 「山彦の街」
...中頃は選択の標準の示されぬを憾みとし...
柳田國男 「書物を愛する道」
...必ずしもモリエエルと限らず何(ど)の芸術家を仮(か)り来(きた)つて主人公としても差支(さしつかへ)の無い様な憾みはあるが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...これも短い憾みはあるが...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この分ではもう今夜死んでも憾みは無い...
若山牧水 「山寺」
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