...現在に於ける完備せる資本制度の大勢力は実に数千年の永い歴史的根拠を有し教育習慣等人間生活の凡ての方面に大なる力を以て浸蝕して居るのであるし共産的の精神と教養は遺憾ながら誠に小作人の間には薄く却て都会に於けるよりも資本主義的精神は地方農村に於て溌溂たるの事実に徴する時私は狩太農場の前途を略(ほゞ)推測する事が出来るものと思ふ...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...そのラフアエロが落(らくくわん)の見苦しき彼圖の上邊にあるこそ憾(うらみ)なれ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...大隊長の指揮につき「大隊戦闘の本旨は諸般の戦況に応じ大隊長の的確かつ軽快なる指揮と各隊の適切なる協同とに依り大隊の戦闘力を遺憾なく統合発揮するにあり」と述べ(第四百八十)更に「……戦況の推移を洞察して適時各隊に新なる任務を附与し……自己の意図の如く積極的に戦闘を指導す」(第五百四)と指示している...
石原莞爾 「戦争史大観」
...自己の心霊の貧弱を遺憾なく映ずる人間を喜んで歓迎してゐる...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...遺憾ながら両者の結果とも...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...憾むらくはゲルトがない(殊に同宿の煩はしさがないのがうれしい)...
種田山頭火 「行乞記」
...私は今その内容を記憶しないのを遺憾とする...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...グラチアみずからその遺憾の念をうち明けた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...女の影は遺憾(いかん)なく...
夏目漱石 「草枕」
...かういふ一戰は負けても勝つても寧ろ憾みなしと言ふべきか?六時過...
南部修太郎 「日曜日から日曜日まで」
...彼の眼と心との掴んだものを正確に(彼の正確さにまで我々は容易に達し得ない)表現することに遺憾は無かつた...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...その力量を試し損つたのは遺憾である...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...たつた一つの遺憾であります...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...私ばかりがなくしているのはまことに遺憾です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...復(また)意の如くなること能はざるを憾んだのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「只今東京市長の椅子を去るのは実に遺憾千万である...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...所持品等も遺憾なく調査してみましたが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その点が遺憾である...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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