...資金の甚(はなはだ)潤沢(じゆんたく)ならざるを憾(うら)むべき理由なきに似たり...
芥川龍之介 「骨董羹」
...)同時に又他の作家たちの美しさにもやはり注意しないことに多少の遺憾を感じてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...乃ちこの境の妙諦(めうてい)を教へて実に遺憾なし...
石川啄木 「閑天地」
...最(もつと)も遺憾(いかん)に思(おも)ふものである...
今村明恒 「地震の話」
...今日の科学はこの程度の鑑別をするだけに進行していないことを遺憾とする」最後の望みの綱も切れてしまったので...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...“余(よ)は汝(なんじ)の行き過ぎを遺憾(いかん)に思うものである...
海野十三 「地軸作戦」
...如何なる関係交渉を有するやをもすら知らざる低級読者の群の一人なのを此上なく遺憾におもふ...
田山録弥 「文壇一夕話」
...その單に索引を主として著述流別の原則に合せざるを遺憾とせられし者ならん...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...自然の興趣に伴わざるの憾(うらみ)はあるが...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...随分一人ぎめで私にとっては遺憾(いかん)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...迚も此感興を遺憾なく與ふることが出來ぬ...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...曾て一語も女子智育の要に論及したることなきは遺憾と言う可し...
福沢諭吉 「女大学評論」
...辞めるについて少なからず不愉快な曲折があったことは遺憾であった...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...ギリシア軍のトロイ攻めに武勇抜群だったが敵味方ともオジッセウス戦功無双と讃めしを憾(うら)み自殺した...
南方熊楠 「十二支考」
...東京を去るに臨んで述べた「遺憾」という言葉に同情し...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...遺憾なく昔の通りに行われております...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その胸中の遺憾(いかん)はどうであったろうか...
吉川英治 「三国志」
...野武士小六の甥(おい)――である天蔵の野性は遺憾(いかん)なく発揮された...
吉川英治 「新書太閤記」
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