...ただ人の心浅くしてこれを悟り得ざるを遺憾(いかん)とするのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...これまた遺憾(いかん)ながら...
海野十三 「沈没男」
...けれど、遺憾ながら、彼らはどちらも文明の世に生れた人間なので、無言のまま、平然と人を殺す気にはなれなかった...
サキ Saki 妹尾韶夫訳 「第三者」
...とかく荷物の爲に累せられて行動の自由を缺く感があるのを憾(うら)みつゝともかくも俥を命じ...
近松秋江 「伊賀國」
...この場面だけはせめてもう一級だけ上(う)わ手(て)の俳優にやらせたらといささか遺憾に思われたのであった...
寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
...茲に、文学的扮飾というような言葉を使わねばならないのは、遺憾である...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...また一つ遺憾なのは...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...遺憾(いかん)ながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分のために遺憾(いかん)だと思います...
夏目漱石 「行人」
...しかし遺憾(いかん)ながら...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...その他本誌の読者になじみの深い小酒井不木氏、森下雨村氏なども探偵小説を発表されているということであるが、遺憾ながら、私はまだ読んでいない...
平林初之輔 「日本の近代的探偵小説」
...幾多の人事的好題目をその詩嚢(しのう)中に収め得ざりしこと実に千古の遺憾(いかん)なりとす...
正岡子規 「曙覧の歌」
...かれこれ対照してなるべく遺憾なくその文を収拾整復し得て大いに考古学者どもに裨益した...
南方熊楠 「十二支考」
...鬢(びん)のほつれを掻き立てて枕(まくら)のとがを憾(うら)めば二階から人が落ちる...
南方熊楠 「十二支考」
...其内容を遺す憾がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...心の中にさもさも大きな遺憾と悔恨とをいだいているかのように見せかけているばかりで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この事が少しも無産階級全体の幸福とはならない事を遺憾に思います...
与謝野晶子 「階級闘争の彼方へ」
...満洲に在住する日本の女子達が支那語を学ぶことに冷淡なのを遺憾に思ふ私は...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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