...』とKは愈々憮然たる顔をした...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...職業の問題があったのかも知れないな」栄介は憮然として顴骨(かんこつ)のあたりを押えた...
梅崎春生 「狂い凧」
...余は憮然(ぶぜん)として立ちすくんだ...
高浜虚子 「子規居士と余」
...斯く考へて春三郎は憮然とした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...」憮然と部屋の隅につつ立つてゐた青年は...
太宰治 「火の鳥」
...葉生 そりゃ京兆眉憮(けいちょうびぶ)よ...
田中貢太郎 「涼亭」
...手元から気を逸らされると憮然としてしまう...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...「お前か」竜之助は憮然(ぶぜん)として...
中里介山 「大菩薩峠」
...数年前長安(ちょうあん)に残してきた――そして結局母や祖母とともに殺されてしまった――子供の俤(おもかげ)をふと思いうかべて李陵は我しらず憮然(ぶぜん)とするのであった...
中島敦 「李陵」
...憮(ぶ)然として口(くち)を閉(と)ぢた...
夏目漱石 「それから」
...親分はあの時丸吉を縛らなかつたので?」「確(たし)かな證據がなかつたのだよ」平次の憮然(ぶぜん)としてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……それから日没の街を憮然(ぶぜん)と歩いている彼の姿がよく見かけられた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...秘かに憮然とした...
牧野信一 「毒気」
...おれは憮然(ぶぜん)としたような感じで...
山本周五郎 「陽気な客」
...瓶は空(から)っぽになっている事に気附いたので憮然として立上った...
夢野久作 「戦場」
...今さら憮然とせざるを得なかった...
横光利一 「欧洲紀行」
...憮然(ぶぜん)とつぶやいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...それも久しい」憮然として老公はつぶやいた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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