...自己の進路に迷ふ樣な先輩は憐憫に堪へない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自己憐憫は弱者の事である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...葉子はまた妹たちが言わず語らずのうちに生徒たちから受けねばならぬ迫害を思うと不憫(ふびん)でもあった...
有島武郎 「或る女」
...しょんぼりと悄(しお)れていた不憫(ふびん)な民さんの俤(おもかげ)...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...憫れと思ふ事も度々あつた...
鈴木三重吉 「金魚」
...あれよりも可憫(かあい)そうなのは私だよ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...不憫(ふびん)げらに...
太宰治 「雀こ」
...皮肉な憐憫(れんびん)の言葉をそばの人たちとかわしながら喧嘩(けんか)を見守(みまも)ってる姫の姿が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...老人に対して憐憫(れんびん)の情を動かした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...憐憫の思ひに駆られ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...反つて不憫(ふびん)ぢやございませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不憫(ふびん)でもあった...
林芙美子 「河沙魚」
...あとの兄弟も不憫(ふびん)と母親...
樋口一葉 「大つごもり」
...その鼻先へ出て「行政官は早いですなあ」と俺の顔と官報とを一目で覗き分けをしつつ云つたあいつの顔は「この冷笑と侮蔑と憐憫とを君に捧げよう」と云はんばかりであつた...
平出修 「公判」
...もしくは憫(あわれ)むべき摸倣のわざと解せんとしたのは...
柳田国男 「海上の道」
...そうして私を憫(あわ)れむように……又は云い訳をするように...
夢野久作 「冗談に殺す」
...甲板の上は、昨日まで生命と、歌と、愛とで胸を躍らせてゐたこれらの小鳥の死骸が撒き散らされた‥‥シルストルと他の檣兵等とは濡れ羽をした、黒い、小さなそれらのきれ/″\を集めて、憫れむ樣子で、彼等の手のなかで、そのきやしやな、青みがゝつた翼をひろげて見た...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼女の憫れな頭は考へもなくなつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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