...口元に軽く憫(あわれ)むような笑いを浮べながら...
大阪圭吉 「死の快走船」
...気の弱い淋しがりの不憫(ふびん)の子のつもりでいたのですが...
太宰治 「誰も知らぬ」
...妙子にも不憫(ふびん)が懸るのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...リヽーを不憫と思ふ心が...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...憫笑(びんしょう)に価するようなものばかりであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一時的であるがとにかく真面目(まじめ)な憐憫(れんびん)の情を感じはしたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...老人に対して憐憫(れんびん)の情を動かした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小太郎をじっと眺めていたが「不憫や...
直木三十五 「南国太平記」
...あのままで朽(く)ち果つるとは不憫千万(ふびんせんばん)だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...不憫な赤ん坊が出来てしまったのだ...
林芙美子 「河沙魚」
...救いをもたらす憐憫のうちに消滅してしまわせるために...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...私を不憫(ふびん)に思つてくれてゐることを私はよく知つてゐた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...漁師の子息の李一は何となく憫れになり...
室生犀星 「不思議な魚」
...」男はさげすんで憫(あわれ)むような調子でこう言い足した...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...親きょうだいもない不憫(ふびん)な育ちです」と...
山本周五郎 「花も刀も」
...美しい話柄……翁の遺徳のために吾々の微力が圧倒された事蹟として大方の憫笑に価すれば幸である...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...正木博士の顔には見る見る私を憫(あわ)れむような微笑が浮かみあらわれた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...むしろ不憫(ふびん)ともいうべき者...
吉川英治 「新書太閤記」
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