...悪人の子であるが故に一層不憫(ふびん)がって...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...そうして世の同情と憐憫(れんびん)の的(まと)である筈でございましたが...
太宰治 「男女同権」
...豈是れ憫れむべきの極に非ずや...
田中正造 「非常歎願書」
...一面妙子を不憫(ふびん)がる気持もあって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...不憫なことをした...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...おりんも流石(さすが)に不憫を感じたのか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...うるさくするからよ!ポリーナ わたしはお前が不憫(ふびん)なんだよ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...……ても憫然(ふびん)な綱(つな)よの...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...多少軽蔑(けいべつ)の交じった憐憫(れんびん)をしか受くる資格がないとしても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...きっと会社へ泊っているに違いないと信じ切っているのが妙に不憫(ふびん)に思われて来た...
夏目漱石 「道草」
...千穂子へ対する哀れさ不憫さの愛が頂点に達してゆくのだった...
林芙美子 「河沙魚」
...不憫な赤ん坊が出来てしまったのだ...
林芙美子 「河沙魚」
...山本氏は憫(あわれ)むような眼ざしで一同を眺めまわたしながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...みんなの憐憫(れんびん)の的となって悪魔の仇(あだ)からでも保護されるくらいな事情のもとに...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...憫然至極救いがたいものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寂しい愛、孤独の愛、真実の愛、幸福な安らかな愛、正しい愛、虐たげられ、呵責(さいな)まれた愛、憐憫の愛、神のやうな愛、健やかな恵深い愛、忍従の愛、寛大な、而して叡智の潜んだ愛、自然の愛、新鮮なみづみづしい愛、善良で正直な愛、素朴な野生の愛、深大な愛、一人の、而して万人の愛、おお、さうして一切の愛、これらが皆この中にある...
室生犀星 「愛の詩集」
...あの憐憫(あわれ)なアヤ子の事を思い出しては...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...むしろ不憫(ふびん)だ』友達は...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??