...即ち、先生にとつては、御芝居そのものは最早單純な安易な快樂ではなく、絶えざる苦心と焦慮と、勞役と、憧憬と、向上との對象である...
會津八一 「趣味の向上」
...ぼくは憧(あこが)れの国際放送機の中に取付けられてしまったのである...
海野十三 「もくねじ」
...私には已み難い憧憬があります...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...彼の内部に一度巣くつた憧憬(しようけい)は...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...憧憬というより郷愁というのにずっと似たものなのであった...
高見順 「如何なる星の下に」
...いつか再び強い憧れが頭を擡げて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...とにかくその昔はどれほど自分の憧(あこが)れを充(み)たしてくれたか知れなかった...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...自分の母を恋うる気持はただ漠然(ばくぜん)たる「未知の女性」に対する憧憬(どうけい)...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...彼は決して灯に憧れてるのではない...
豊島与志雄 「美醜」
...温和と信仰と誠と希望と憧憬(どうけい)と幻とから成ってる一つの魂があった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かぎりなき憧憬(どうけい)を起すのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...*42まだ血の気の多い橋本は政治とジャーナリスムに憧れを抱いている...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...ボクさんの星の世界への憧憬(あこがれ)は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ときどきは人々の集まりへ強い憧れを感じて...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...無暗に憧れの夢に耽つてはならないのです...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...若い衆の間に評判される踊り屋台にお鶴が出たということは限りなく美しいものに憧(あこが)るる私の心を喜ばせたとともに自分がそれを見なかった口惜しさもいかばかり深いものであったろう...
水上滝太郎 「山の手の子」
...而して何等かの先入的憧憬又は羞恥を持った人が...
宮本百合子 「結婚相手の性行を知る最善の方法」
...幼い時から憧れて居たといふ家庭も自分で作つて見た...
森田草平 「「青白き夢」序」
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