...それに憧憬をもっているかしれない...
伊藤野枝 「転機」
...げに唇のいとせちに憧(あこが)るとてもあやなしや...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「ソネット」
...犯罪とか極悪人とかへのやけつくような憧憬から生れ出た妄想を...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...一種の憧憬を以て各方面の人士が集ったもので...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...かつて書籍で読み詩で読んだ思想と憧憬(しょうけい)...
田山花袋 「田舎教師」
...彼女の憧憬(しょうけい)の的となっていたコレット女史を逆で行ったような巷(ちまた)の生活が発展しそうに見えた...
徳田秋声 「仮装人物」
...青年時代の活気を憧憬(しょうけい)するは蝶(ちょう)を花を楽しむに異ならない...
新渡戸稲造 「自警録」
...過去の文化に對する憧憬といつたやうな形になりがちであることに氣づく...
野上豐一郎 「「草衣集」はしがき」
...あんなに憧憬(あこが)れていた裏日本の秋は見る事が出来なかったけれども...
林芙美子 「新版 放浪記」
...それは恐怖と憧憬(どうけい)のおののきに燃えてゆくようだ...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...わけてもすべてのものの上に羽撃く生命への不思議な憧れや……へとへとに疲れてベットに横はると...
原民喜 「虹」
...姉の眼のなかには深淵に脅えるものと憧れるものとが混りあつてゐたやうだ...
原民喜 「火の子供」
...彼等一同は一片の食物の影を見誤つて満腔の憧憬を寄せた動物のやうに...
牧野信一 「鱗雲」
...憧憬等を仮托しながら創作した新しい浪漫派の歴史小説中のことになぞらへてゐたのであつた...
牧野信一 「南風譜」
...闇の中へ隠れたいという憧憬と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...即ち作者の經驗する感情――泉先生の場合には主として憧憬と反抗に根ざす――を讀者に移入し...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...藝術家の生活といふものを一種特別の高尚なものだと思ひ違へて憧(あこが)れた事もあつたが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...贅美(ぜいび)といったものへの憧憬と争奪が...
吉川英治 「随筆 新平家」
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