...「神」に對する憧憬である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...ただひとり胸に憧(あこが)れをいだいて飛んで行きました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...彼の随筆には古いもの伝統的なものに憧れる都会人と機械美を好む尖端人との交錯が窺われる...
石井柏亭 「大切な雰囲気」
...今まではばらばらだった私の生活に対する憧憬が形をもってきました...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...朽葉色(くちばいろ)に晩秋(おそあき)の夢深き君が額(ひたひ)に、天人(てんにん)の瞳(ひとみ)なす空色の君がまなこに、憧るゝわが胸は、苔古(こけふ)りし花苑(はなぞの)の奥、淡白(あはじろ)き吹上(ふきあげ)の水のごと、空へ走りぬ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...永年憧れていた恋人が...
海野十三 「空襲葬送曲」
...燃えるやうな憧憬(しようけい)を持つた青年を新らしく主人に迎へて喜こび...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...そういった心の奥にひめられた家庭生活への憧れ...
高見順 「如何なる星の下に」
...ネルロが芸術というものに憧れている心持は...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...妻子を持って同時に自由放浪に憧(あこが)れるのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...人もあろうに大谷刑部少輔吉隆にそれほどまでに憧憬を捧げているのか――お銀様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...又生の自然的文化的段階に強ひて立留まり共同への憧れを強ひて抑へようとする...
波多野精一 「時と永遠」
...あんなに憧憬(あこが)れていた裏日本の秋は見る事が出来なかったけれども...
林芙美子 「新版 放浪記」
...姉の眼のなかには深淵に脅えるものと憧れるものとが混りあつてゐたやうだ...
原民喜 「火の子供」
...都の花やかさに憧れて遥々と出かけて来た気の利かない田舎の青年が...
牧野信一 「鏡地獄」
...……憧憬もない、と云つてまた倦怠(アンニユー)のメランコリアもない...
牧野信一 「眠い一日」
...私はまた雑草をわけ木立の中を犬のように潜(くぐ)って崖端へ出て見はるかす町々の賑わいにはかなく憧憬(あこが)れる子となった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...姫君への憧憬(あこがれ)を常に伝えさせるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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