...流血に憧(あこが)れる野性が目ざめた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...それに憧憬をもっているかしれない...
伊藤野枝 「転機」
...貴い憧(あこが)れの的でした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...平生(ひごろ)憧れていたお座附の三味線を引き出すと...
谷崎潤一郎 「幇間」
...文学的には中世的カトリックへの憧憬であったが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...彼はかならず恋しい憧憬(どうけい)の無言の祈りをささげた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ただやるせない憧憬の気持のみが...
豊島与志雄 「反抗」
...こっちはもう自分の作物が彼等の人気に関係しさえしなければそれでいいのだから済ましているうちに彼等自身も絶縁はしながらも絶えずこの大菩薩峠には憧(あこが)れをもち...
中里介山 「生前身後の事」
...その憧れの伊勢の国をながめている...
中里介山 「大菩薩峠」
...無限の憧憬(しょうけい)(infinite longing)とかになるのでしょう...
夏目漱石 「創作家の態度」
...五月の終りごろ慧憧がやってきて...
久生十蘭 「新西遊記」
...かの鏡に現われた女の顔に対する私の憧憬の熱もさめ...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...」「欲しいなあ……」彌生は深い息を衝いて憧れに滿ちた眼を輝かすのであつた...
牧野信一 「痴日」
...東都の華やかな文壇に憧れて...
牧野信一 「貧しき日録」
...深田先生などによって与えられていたフランス文化に対する憧れである...
三木清 「読書遍歴」
...悲哀に満ちた胸を抱いてほしいままに町へも出られない掟と誡めとに縛られるお屋敷の子は明日にもお鶴が売られて行く遠い下町に限りも知らず憧(あこ)がれた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...つつましさのなかに娘らしい憧(あこが)れや夢をまじえて語り合っていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ほのかな憧憬(あこがれ)に似てあまやかなものだった...
山本周五郎 「柳橋物語」
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