...徒らに我慾の姿に憧憬(あこが)れて...
石川三四郎 「土民生活」
...国民が第一線決戦主義に対する憧憬余りに強くソ連の革命的方式を正しいものと信じ...
石原莞爾 「戦争史大観」
...それらは暫(しばら)くの間若い心を躍らせて常に憧憬の衢(ちまた)であった東都の空を想う念も暫くの間は薄らいでいた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...勿論梅にはもう季節は遲れてゐるが月ヶ瀬の溪山も亦た多年憧憬してゐるところである...
近松秋江 「伊賀國」
...いゝ寫眞器(しやしんき)に對(たい)する憧憬は日に日に高まるばかりだつたが...
南部修太郎 「寫眞と思ひ出」
...又生の自然的文化的段階に強ひて立留まり共同への憧れを強ひて抑へようとする...
波多野精一 「時と永遠」
...兎角理想というものは遠方から眺めて憧憬(あこが)れていると...
二葉亭四迷 「平凡」
...非常にういういしい憧れをもっているうちのほうが小説を書くのにはいいということになるわけか...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...憧れの中世紀に突如この身を見出したかのやうな夢心地に走り...
牧野信一 「歌へる日まで」
...柳暗花明の巷が憧れの的になつた! 君はどうだ?」「僕も...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...「何としても俺の憧れてゐるのは...
牧野信一 「喧嘩咄」
...宇宙に対するテレ臭さと憧れから発生した無意識裡の奇癖とは知る由もない義弟は...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...憧憬等を仮托しながら創作した新しい浪漫派の歴史小説中のことになぞらへてゐたのであつた...
牧野信一 「南風譜」
...胸のうちでばかり憧れる風景の香りにばかり酔つてゐるといふやうな折からだつたので...
牧野信一 「湖の夢」
...それは一つの短い刺すような憧憬か...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...愛がその本性においてつねにより高いものに憧(あこが)れるのと異っている...
三木清 「人生論ノート」
...彼等の憧れる瓦葺の屋根の下に...
溝口健二 「日本趣味映画」
...憧憬(あこがれ)と哀愁とに充ちた...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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