...その(憚り様ね)を...
泉鏡花 「女客」
...なお親に怖(お)じ兄弟に憚り...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...憚りながら未だ南京米を口に入れた事の無いお兄(あに)いさんだ...
内田魯庵 「犬物語」
...憚りながら神州の倭魂(やまとだましひ)を伝へた純粋のお犬様だ...
内田魯庵 「犬物語」
...将軍家其礼を憚り給ふの処...
太宰治 「右大臣実朝」
...何の憚りもなく好奇心もなく...
豊島与志雄 「土地に還る」
...「源さん、憚りさま、お湯を一つ」「へいへい、一つと仰しゃらず、二つお揃いで、持参致します...
直木三十五 「南国太平記」
...そこに、道有り、作法有り、不義は御家の法度(はっと)とやら、万一そういうことがしったい致しました時には、憚りながら、ぽんぽんながら、この良庵が捨ておきませぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...」「憚りも二階でしたわね...
永井荷風 「男ごゝろ」
...そこは憚りながらがんりきの知恵で...
中里介山 「大菩薩峠」
...聊(いささか)憚りなく...
服部之総 「新撰組」
...と御声ひくゝ四壁(あたり)を憚りて...
樋口一葉 「雪の日」
...」「ね、ちょっと、ソフィヤ・イワーノヴナ! あたし、憚りながら、まだ一度もそんな如何わしい真似をしたことはありませんわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そのような願いでこの厳かな祈請の筵の邪魔をいたすは憚り...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...いわく、合祀されし社の氏子、遠路を憚り、ことごとく合祀先の社へ参り得ざるをもって、祭日には数名の総代人を遣わすに、多勢に無勢で俘虜降人同然の位置に立つをもって、何のありがたきことなく早々逃げ帰る...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...三田の憚りもなく見送るところだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...終戰後の競馬再開にあたり、農林省から抽籤で配布された馬で、これを引いたときは、即刻、私のところへ手紙をよこして、「憚りながら、今度の僕の馬は、君が引いた馬などとは、血統も價格も、較べものにならない逸駿さ...
吉川英治 「折々の記」
...憚りながらわたしたち女の領分ですわよ...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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