...「憚りながら的矢の貫一...
海野十三 「奇賊悲願」
...「塀和さん憚りですが貴方お茶を入れて持つて行つて下さいな...
高濱虚子 「俳諧師」
...人は漸く其の動物の本性を暴露するを憚り...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...あたりのテーブルを憚りながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ただ唯物論研究会の第一義的な仕事と銘打っては多少憚りありというので...
戸坂潤 「読書法」
...何の気兼も憚りもない遊び相手にしていたのです...
豊島与志雄 「香奠」
...憚りさまやら、茶ばかりさん」源公が、湯呑を二つ両手にもって、店の間へ出た...
直木三十五 「南国太平記」
...憚りながらこの通り...
中里介山 「大菩薩峠」
...憚りながらうるさくからみつくのを振りきって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憚りながら斑組の首領...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それに憚りながら幸田節三あんたに代って山木にしっぺい返しを喰して不実を思い知らせてやるくらいのことは...
久生十蘭 「魔都」
...嫉妬云々の俗評を憚りて萎縮するが如き婦人畢生の恥辱と言う可し...
福沢諭吉 「新女大学」
...御前憚りながら真似ましたことも...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...そのような願いでこの厳かな祈請の筵の邪魔をいたすは憚り...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...感冒の猖獗日に増して」と必ず卦紙一二枚は時候見舞と「憚りながら拙宅一同も無事消光つかまつり居り候故偏へに御休心下され度候」といふ慇懃な御挨拶です...
牧野信一 「月あかり」
...古來凡庸の人と評し來りしは必ず誤なるべく北條氏を憚りて韜晦(たうくわい)せし人かさらずば大器晩成の人なりしかと覺え候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...予には彼の作中に見るが如き叔父も無く又曾て父母を憚りて我が筆を折らんとしたる事も無し...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...内蔵助は振り向いて、一応の次第をつぶさに申し立てた後、『おことばに甘えて、憚りながら、香炉(こうろ)一つに、三方(ぼう)一脚をお貸し賜わるまいか』『おやすい事じゃ』則地は、下男にいいつけて、すぐその品々や、香などを運ばせた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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