...不快な冷笑を憚りもなく顔に出して...
石川啄木 「鳥影」
...細君は「一寸憚り樣」とか何とか刷毛の柄を口にくはへたまゝ判らぬことを言つて空目を使つて三藏の顏を見る...
高濱虚子 「俳諧師」
...憚り多き事ながら...
高山樗牛 「瀧口入道」
...憚りながら左衛門尉...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...あたりのテーブルを憚りながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...又權勢の大なるに其目曳かれて憚りて劣れる者を取る勿れ』しかいふ彼は金髮のメネラオスのため憂ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...閣下の最も憚りたる西郷党を残滅して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...憚りさまやら、茶ばかりさん」源公が、湯呑を二つ両手にもって、店の間へ出た...
直木三十五 「南国太平記」
...」「憚りも二階でしたわね...
永井荷風 「男ごゝろ」
...肩を並べ伏眼加減に人眼を憚りつつ足早やに歩み去る二人の跡を...
西尾正 「陳情書」
...殺さずに済ます工夫もあったろうに――」平次は駕籠の方を憚りながら言うのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何の憚りはせぬぞや...
樋口一葉 「花ごもり」
...そのような願いでこの厳かな祈請の筵の邪魔をいたすは憚り...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...感冒の猖獗日に増して」と必ず卦紙一二枚は時候見舞と「憚りながら拙宅一同も無事消光つかまつり居り候故偏へに御休心下され度候」といふ慇懃な御挨拶です...
牧野信一 「月あかり」
...何でそれを御憚りになる要がありましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...其周圍の人達は憚りつゝも敬つてをつた利章が...
森鴎外 「栗山大膳」
...それからは人目を憚り...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...憚りながら唐音もじりなんぞとは種が違うんだ...
山本周五郎 「新潮記」
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