...憚りながら口幅ってえ事が云える義理かい...
有島武郎 「かんかん虫」
...強烈な光を投げて憚りもなく照らした...
石川啄木 「二筋の血」
...「これは憚り、お使い柄恐入(おそれい)ります...
泉鏡花 「女客」
...「これで」といふ意味は「憚りながら江戸ですぜ」という得意の心持か...
竹久夢二 「砂がき」
...将軍家其礼を憚り給ふの処...
太宰治 「右大臣実朝」
...彼女としては早く知らしてやつた方が行き届いてゐることは分つてゐたのだが、「憚りながら、とうに戻つて来てをりますから御安心下すつて結構です、いろ/\お手数をかけましたが、もう御入用はありますまいな」と、皮肉交りに云はれさうなのが業腹(ごうはら)で、つい延び/\にしてゐたのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...閣下の最も憚りたる西郷黨を殘滅して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...憚りなく談笑してる一群が...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...「源さん、憚りさま、お湯を一つ」「へいへい、一つと仰しゃらず、二つお揃いで、持参致します...
直木三十五 「南国太平記」
...そこは憚りながらがんりきの知恵で...
中里介山 「大菩薩峠」
...肩を並べ伏眼加減に人眼を憚りつつ足早やに歩み去る二人の跡を...
西尾正 「陳情書」
...憚りながら斑組の首領...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憚りながら盜られるものなんかありやしません」「で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何の憚りはせぬぞや...
樋口一葉 「花ごもり」
...憚りながらこの点をちょっと申し添えておきます」と言い終った時...
久生十蘭 「魔都」
...」「ね、ちょっと、ソフィヤ・イワーノヴナ! あたし、憚りながら、まだ一度もそんな如何わしい真似をしたことはありませんわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...わが家の灯を恐れ憚りはしなかったし...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...「憚り様(メルシ)...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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