...憚りながら御主人の地位にも関するような大事を惹き起さないとも云えません...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...憚りながら左衛門尉...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...ルーソーの『告白』の序に『此一巻を携へて上帝の前に出でん……』云々とありますが私も此一文は死後九天の上九泉の下何処へなりと示すを憚りません...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...遂に躊躇して手を下だすを憚りたるは首相たるの威嚴を失墜したるものに非ずして何ぞや更に地方議員選擧干渉に就て之れを見るも閣下は斷じて此の事實を認めずといふを得ざるものたるに拘らず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そこに、道有り、作法有り、不義は御家の法度(はっと)とやら、万一そういうことがしったい致しました時には、憚りながら、ぽんぽんながら、この良庵が捨ておきませぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...」「憚りも二階でしたわね...
永井荷風 「男ごゝろ」
...肩を並べ伏眼加減に人眼を憚りつつ足早やに歩み去る二人の跡を...
西尾正 「陳情書」
...憚りながら斑組の首領...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...聊(いささか)憚りなく...
服部之総 「新撰組」
...憚りながらこの点をちょっと申し添えておきます」と言い終った時...
久生十蘭 「魔都」
...感冒の猖獗日に増して」と必ず卦紙一二枚は時候見舞と「憚りながら拙宅一同も無事消光つかまつり居り候故偏へに御休心下され度候」といふ慇懃な御挨拶です...
牧野信一 「月あかり」
...いわく、合祀されし社の氏子、遠路を憚り、ことごとく合祀先の社へ参り得ざるをもって、祭日には数名の総代人を遣わすに、多勢に無勢で俘虜降人同然の位置に立つをもって、何のありがたきことなく早々逃げ帰る...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...其周圍の人達は憚りつゝも敬つてをつた利章が...
森鴎外 「栗山大膳」
...醫師の徳義上から憚りますから...
横瀬夜雨 「花守」
...終戰後の競馬再開にあたり、農林省から抽籤で配布された馬で、これを引いたときは、即刻、私のところへ手紙をよこして、「憚りながら、今度の僕の馬は、君が引いた馬などとは、血統も價格も、較べものにならない逸駿さ...
吉川英治 「折々の記」
...内蔵助は振り向いて、一応の次第をつぶさに申し立てた後、『おことばに甘えて、憚りながら、香炉(こうろ)一つに、三方(ぼう)一脚をお貸し賜わるまいか』『おやすい事じゃ』則地は、下男にいいつけて、すぐその品々や、香などを運ばせた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「憚り様(メルシ)...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
...「憚りさま、このカテリーナ・リヴォーヴナは、それほど臆病じゃありませんわ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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