...決して寫す能はざる所を直寫して寸毫の忌憚する所なきに在り...
石川啄木 「トルストイ翁論文」
...申(まを)すも憚(はゞか)つて控(ひか)へたが...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...それぞれその害毒は足尾銅山にありというを憚らずといい...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...2011.大衆はたゞ恬然として誰憚らず出鱈目を云つてのける樣な民衆指導者の言にのみ信を置く...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...見すぼらしげな父親をお島に逢わせるのが心に憚(はばか)られた...
徳田秋声 「あらくれ」
...そっちへおいでなすっちゃ駄目だというのに」「憚(はばか)りながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...もうこの面(つら)は東海道の風にゃ吹かせられねえ――憚(はばか)りながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...例(たと)えば天を憚(はば)からず地を憚からぬ山の...
夏目漱石 「虞美人草」
...まだ初さんの手前を憚(はばか)るだけの余裕があるから...
夏目漱石 「坑夫」
...「英国風を鼓吹(こすい)して憚(はば)からぬものがある...
夏目漱石 「野分」
...頭にある事を何でも口外して憚(はばか)らない健三の無作法も気に入らなかった...
夏目漱石 「道草」
...流石(さすが)に吹き出すのは憚(はばか)られたのである...
南部修太郎 「猫又先生」
...何の憚(はばか)るところなく善事を行(や)るであろうが...
新渡戸稲造 「自警録」
...「憚りながら金に糸目は付けねエ――」とやるところでしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...但し忌諱(きい)を憚り候儀もこれあり候はゞ...
服部之総 「新撰組」
...山に入ってはまた山童を忌み憚(はばか)っていた結果かと思われるが...
柳田国男 「山の人生」
...申すも憚(はばか)りなれど...
吉川英治 「私本太平記」
...自分の意見を忌憚(きたん)なく述べてまいったのだ」「…………」「然るに――其方たちが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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