...何憚(はばか)らず北国(ほくこく)の強い空気に漲ツて居る...
石川啄木 「漂泊」
...更に憚(はばか)る処が無いから...
泉鏡花 「婦系図」
...過(あやま)ちて改(あらた)むるに憚(はゞか)るなかれとは先哲(せんてつ)の名訓(めいくん)である...
伊東忠太 「誤まれる姓名の逆列」
...だが若い僧侶は少しも憚るやうな樣子を示さず...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...風のやうな水のやうな生活何物をも恐れない誰をも憚らない生活すなほにつつましくあたたかい...
種田山頭火 「其中日記」
...権力を恐れ俗論を憚(はばか)り...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...領主 その不埓(ふらち)な爭鬪(さうとう)を始(はじ)めた者共(ものども)は何方(いづれ)にをる?ベン憚(はゞか)りながら...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...マテリアリストの眼から見た武士気質(かたぎ)の不合理と矛盾の忌憚(きたん)なき描写と見られないものはない...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...お父さんがかんとかだと云われるのは実際楽じゃないからね」お延は微(かす)かな声で階下(した)を憚(はば)かるような笑い方をした...
夏目漱石 「明暗」
...憚(はゞ)かり樣(さま)とも何(なん)とも云(い)はずに...
夏目漱石 「門」
...人目を憚(はゞか)り乍(なが)ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...憚りながらあたしだけは決してそんな真似はしませんからね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そのような願いでこの厳かな祈請の筵の邪魔をいたすは憚り...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...大原手を出(いだ)して盆の上より受取り「これは憚(はばか)りさま...
村井弦斎 「食道楽」
...わが逍遙子の意に違ふをも憚(はゞか)らで...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...高座(こうざ)に顔を(さら)すことを憚(はばか)らなかったのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...憚(はばか)りながらおれたちの鍛(う)ったものには...
吉川英治 「黒田如水」
...公辺の憚(はばか)り向き...
吉川英治 「私本太平記」
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