...之を詭辯だと云ふものは總ての宗教と哲學とに縁のない人だと云ふことを憚らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...蟲の音も憚からぬ醉うた濁聲(だみごゑ)が...
石川啄木 「天鵞絨」
...人は漸く其の動物の本性を暴露するを憚り...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...戰を挑むをわれに憚らむ』 655陳じ終ればおの/\は二重の盃に灌酒しつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...一歩を進めて妄断(もうだん)する事を憚(はばか)らざれば油画は金髪の婦女と西洋の風景とを描くに適するものといふべし...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...そこで七兵衛も誰憚(はばか)らず...
中里介山 「大菩薩峠」
...多数の女はわが運命を支配する恋さえも装飾視して憚(はば)からぬものだ...
夏目漱石 「野分」
...他(ひと)に憚(はば)かられたり気をおかれたりする資格さえないように自分を見縊(みくび)っていただけに...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...君より自由な境遇に立っていると断言して憚(はば)からないのだ...
夏目漱石 「明暗」
...いかなる事をも憚(はばか)らない人が多い...
新渡戸稲造 「自警録」
...近所の思惑を憚(はばか)りながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誰憚(はばか)る者も無い」「何を仰(おっ)しゃり度いので? 阿星様」「私は――何を隠そう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これで突かれちや――」「磔刑(はりつけ)をされるやうなもので」平次が憚かつて言はなかつたことを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...始めは客のある時は客の前を憚(はば)かって僅(わずか)に顔をしかめたり...
正岡子規 「病牀苦語」
...鬼神も憚からるゝ大力士も病魔に抗しがたく...
三木貞一 「初代谷風梶之助」
...なにかを憚(はばか)るように...
山本周五郎 「夕靄の中」
...吉宗に憚(はばか)ってばかりおるが...
吉川英治 「江戸三国志」
...云ひ憚る人がある...
吉川英治 「折々の記」
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