...四方(あたり)を憚(はばか)って笑い声を立てなかったのである...
芥川龍之介 「煙管」
...胸に思うのも憚(はばか)られる...
泉鏡花 「瓜の涙」
...それ故論壇では紅葉の態度や硯友社の作風に慊(あきた)らないで忌憚(きたん)のない批評をしても...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...山田は先妻の親戚としてこの相談に直接に与かることを憚るだろうが...
大杉栄 「獄中消息」
...半ば崩れた牡丹は又一瓣をほろりと飜して妖艶の癡態を憚りも無く見せつけてゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...憚(はばか)りながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんらの忌憚(きたん)を持っていなかったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...お父さんがかんとかだと云われるのは実際楽じゃないからね」お延は微(かす)かな声で階下(した)を憚(はば)かるような笑い方をした...
夏目漱石 「明暗」
...宮廷の女官達さえ叱(しか)り飛ばして憚(はばか)らなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...忌憚をも不奉憚不取敢申上候義...
福澤諭吉 「御時務の儀に付申上候書付」
...貴嬢(あなた)の前をも憚(はばか)らずして……今朝その事で慈母(おっか)さんに小言を聞きました...
二葉亭四迷 「浮雲」
...無礼講らしく憚(はばか)りなく振舞っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...ちょこちょこと料理を済ませて生同様なものを腹の中へ押込むのは我が胃腸を虐待して憚(はばか)らざる人だ...
村井弦斎 「食道楽」
...一方仕事の圏内では天下御免の良人が誰にも憚からずのうのうとあそんでいられる...
矢田津世子 「女心拾遺」
...紫式部がそれを憚(はばか)ったのは...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...憚(はばか)っておったが」「よいか……わるいかと……」「あれ程...
吉川英治 「大岡越前」
...最前から何をもじもじ云(い)い憚(はばか)っておるかと思えば...
吉川英治 「新書太閤記」
...憚(はばか)ることがあるとみえる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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