...まるで他聞でも憚(はばか)るように...
芥川龍之介 「妖婆」
...『信吾さん!』と四邊(あたり)憚からぬ澄んだ聲が響いて...
石川啄木 「鳥影」
...私は此処に出来ることならその一部丈けでも紹介したいけれどもあの十頁すべてが忌憚に触れたのださうだ...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一一月号)」
...憚られる様なものを見たのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...「憚(はばか)りながら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...未亡人たる彼女に面と向って言い出すのは憚られた...
豊島与志雄 「化生のもの」
...相手を憚(はばか)ってはいられない...
中里介山 「大菩薩峠」
...多少の畏憚(おそれ)を以て行き違うものもあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...衛律(えいりつ)をもって完全に胡人(こじん)になり切ったものと見做(みな)して――事実それに違いなかったが――その前では明らさまに陵に説くのを憚(はばか)った...
中島敦 「李陵」
...憚(はば)からぬのが災(わざわい)になる...
夏目漱石 「作物の批評」
...源吉との戀の遊戯(いうぎ)を憚(はゞか)りもなく續けました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遠国の奉行の非義失政などの忌憚のない密告書が出てくる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...忌憚なく云へば他の諸氏の文章の多くは余の最も好まざるところのものなり...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...止る處を知らぬ力の進展を自己の内に認めるものだと世の中を憚らず公言したが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...然るに自分は労を憚らずして往く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それも、公儀を憚って、明らさまに、顔も姿も見せることはできない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「――あまり官を憚(はばか)らぬようにある...
吉川英治 「親鸞」
...いって憚(はばか)らないふうであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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