...神を愛する如く彼女を愛すると叫ぶのさへ憚らないやうになつた...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...身動きするのも憚(はばか)られるような気持で...
有島武郎 「星座」
...何憚(はばか)らず北國の強い空氣に漲(ひた)つて居る...
石川啄木 「漂泊」
...格子戸を憚(はばか)って...
泉鏡花 「婦系図」
...誰に憚(はゞか)ることもなく逢う瀬を楽しめる時期になって...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...彼女は憚(はばか)りもなくその冷評を彼にくり返し聞かした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...然しこちらから訪れて行くのは憚られた...
豊島与志雄 「反抗」
...なんとなく憚られるような気がします...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...大胆に忌憚(きたん)なく筆を着けなくっては...
夏目漱石 「創作家の態度」
...なるべく父母(ふぼ)の喜こびそうな津田と自分の現況を憚(はばか)りなく書き連ねた...
夏目漱石 「明暗」
...憚(はばか)りながら八五郎兄さんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憚(はばか)りながらお母様はこの平次がお世話いたしましょう」「辱(かたじ)けない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憚(はばか)りながら四ツ目の銅八だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...己れの声を己れで憚るが如き調子で...
久生十蘭 「魔都」
...時としては身を危(あやう)うすることあるもこれを憚(はばか)らずして和議(わぎ)を説(と)き...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...然るに自分は労を憚らずして往く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...憚(はばか)りながら...
吉川英治 「醤油仏」
...内蔵助は振り向いて、一応の次第をつぶさに申し立てた後、『おことばに甘えて、憚りながら、香炉(こうろ)一つに、三方(ぼう)一脚をお貸し賜わるまいか』『おやすい事じゃ』則地は、下男にいいつけて、すぐその品々や、香などを運ばせた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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