...私のやうに厚着をしてゐる旅客が見えませんので温度を加減さすのも憚られて我慢して通しました...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...私は憚(はばか)らぬのである...
大隈重信 「〔憲政本党〕総理退任の辞」
...それぞれその害毒は足尾銅山にありというを憚らずといい...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...後三條天皇も武力に憚つてお取上げになるまいと云ふことを考へ出した...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...礁を破るに憚る事はないぞ」「そりゃ...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...誰に憚(はゞか)るところもないのだが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...このような科学的五月観などはうっかり口にすることを憚(はばか)らなければならなかったかもしれないのである...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...憚(はばか)りながら我々の方は...
中里介山 「大菩薩峠」
...身分の者は憚(はばか)った刑場の二つ胴試し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...国のためとあれば荊(いばら)に坐し胆(たん)を嘗(な)むるも憚(はばか)らざるは人情の常なり...
福沢諭吉 「日本男子論」
...憚りなしに己れの所存を伝へられ...
牧野信一 「歌へる日まで」
...『勿憚改』にいうところによれば...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...その奇行快動ぶりといったら天下周知の事実と云っても憚らない位である...
夢野久作 「近世快人伝」
...お芳はおれの女だ」七は憚(はばか)らなかった...
吉川英治 「銀河まつり」
...病人を憚(はばか)るように...
吉川英治 「治郎吉格子」
...憚(はばか)らずいえ」「おそれながら――」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...まったく憚(はばか)りもない天放の一声であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...何を惧(おそ)れ憚(はばか)っていらっしゃいますか...
吉川英治 「源頼朝」
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