...何を憚(はばか)つてか言はずに了つた...
石川啄木 「鳥影」
...更に憚(はばか)る処が無いから...
泉鏡花 「婦系図」
...五 憚るべきである...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...然るを彼は衆神の恐るる我に劣らずと胸裏に曰ふを憚らず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ルーソーの『告白』の序に『此一巻を携へて上帝の前に出でん……』云々とありますが私も此一文は死後九天の上九泉の下何処へなりと示すを憚りません...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...」あたりを憚るような低い声でした...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...愛せらるるの資格を標榜(ひょうぼう)して憚(はば)からぬものは...
夏目漱石 「虞美人草」
...君より自由な境遇に立っていると断言して憚(はば)からないのだ...
夏目漱石 「明暗」
...憚(はゞか)り乍ら錦の小袖も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...憚(はば)からなけりゃなるまいと思っています...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...するてえと、これはどういうことになるんです」ハッチソンは車に頬杖をついて考え耽っているようだったが、何を思いついたか急に喉声を立てて笑い出し、「それはそうと、印東の旦那、山木の窮命の件ですが、憚りながら、このハッチソンがその結末を洞察してみましょう...
久生十蘭 「魔都」
...憚るに足らざるなり...
福沢諭吉 「女大学評論」
...およそ国民たるの分限に越えざることは忌諱を憚(はばか)らずしてこれを行ない...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...おめえ泊るよりしようがねえぞ」「泊めてもらえるだろうか」「憚(はばか)りながらこの家の主人だ...
山本周五郎 「風流太平記」
...憚(はばか)んながら博多の港は...
夢野久作 「近世快人伝」
...忌憚(きたん)のない話をして帰ったが...
吉川英治 「黒田如水」
...お耳に入れるのを憚(はばか)って...
吉川英治 「新書太閤記」
...四隣の耳目(じもく)を憚(はばか)ると...
吉川英治 「新書太閤記」
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