...自分を苦しめたりまた自分の利益になつたりしたところの憑き物が...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...露西亜へ着いてから尚だ一回も註文を受ける間もない中に不起の病に取憑(とりつ)かれてしまった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...太鼓をかついで杉林にさしかかった頃から女房が悪鬼に憑(つ)かれたように物狂わしく騒ぎ立て...
太宰治 「新釈諸国噺」
...社会的信憑を要求出来ないのは当然であって...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...彼は死神にとっ憑かれたように...
豊島与志雄 「ものの影」
...あんな素晴らしい話を作らせるものは確かに憑きものに違いないと...
中島敦 「狐憑」
...さういふ彼にはもはや信憑すべきものとして...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...影法師に憑(つ)かれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お前は影法師に取り憑(つ)かれてゐるといふ話を聽いたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このあはれな野獸のやうにふしぎな宿命の恐怖に憑(つ)かれたものどもその胃袋は野菜でみたされ くもつた神經に暈(かさ)がかかる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...「憑き村」の人々は...
萩原朔太郎 「猫町」
...信憑すべき直接史料となし難きものなり...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...とり憑(つ)いて来い」と命じる...
火野葦平 「花と龍」
...女が一人ぎりで長いこと月に照らされていると物に憑(つ)かれるなんぞと云う話を急に思い出したからだった...
堀辰雄 「姨捨」
...憑きものでもしたような様子に...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...すなわちそれは国学者荒木田久老(あらきだひさおゆ)の説破する所でこの同氏の説は全く信憑するに足るものと信ずる...
牧野富太郎 「植物記」
...なにか憑(つ)きものでもしているような...
山本周五郎 「季節のない街」
...彼もまた藪落しの魔に憑かれて気が違ったのだと思い...
山本周五郎 「藪落し」
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