...彼も亦(また)実は憐れむべき船酔い患者の一人だったのである...
芥川龍之介 「上海游記」
...憐れむべき人物であることが分った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...現時の各国民の生活はほとんどミニマムにまで低下したという憐れむべき状態である...
大隈重信 「世界平和の趨勢」
...まして一人だけ早く出勤して精励ぶりを認められようとする心事だとすれば稚気憐れむべしだ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...自ら正しいと思っている人々を憐れむべき者となしえたならば仕合せである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...憐れむべき、大阪、及び大阪人よ、私はまだ故郷へ戻りたくない...
直木三十五 「大阪を歩く」
...この土地の医者のぞろっぺいを憐れむにつけ...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の乘り捨てた憐れむべき姙み馬は或る蹄鐵工場に入れられた...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...流石に憐れむ人も有りて心は低(ひく)くせよ身をおしむな...
一葉 「暗夜」
...なるほど噸数は一万噸、大砲は二十糎砲だからすごいには違いないが、憐れむべし、防禦力が零(ゼロ)である...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...未だ/\火も点けられてはゐないのに――と憐れむ声も聞えず...
牧野信一 「剥製」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...邪悪で無分別な・憐れむべき・人間には...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それかといって今更のように叔父を憐れむ気には毛頭なれない私であった...
夢野久作 「鉄鎚」
...わが心根をひそかに憐れむ者か」と...
吉川英治 「三国志」
...また愛し尊敬する者、愛し憐れむ者、憐れみ侮蔑する者を持っている...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...悪そのものを許すのではなくして人を憐れむのであることを忘れない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...むしろ憐れむべきものである...
和辻哲郎 「非名誉教授の弁」
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