...と同時に泡鳴氏は恰(あたか)も天下を憐れむが如く...
芥川龍之介 「岩野泡鳴氏」
...彼も亦(また)実は憐れむべき船酔い患者の一人だったのである...
芥川龍之介 「上海游記」
...この憐れむ可き女は何も知らず...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...この病友をいつくしみ憐れむような友情と...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...憐れむべき兄――神の如き兄――も亦此病氣の爲めに殪れるのではあるまいか」と此處迄考へて來て...
高濱虚子 「續俳諧師」
...あに憐れむべきにあらずや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...カヨは憐れむように言う...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...恐るべきまた憐れむべきものである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...憐れむような軽蔑(けいべつ)の眼付で眺めた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...伯父の一つの道への盲信を憐れむ(あるいは羨む)ことは...
中島敦 「斗南先生」
...私の乘り捨てた憐れむべき姙み馬は或る蹄鐵工場に入れられた...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...憐れむべきにあらずや...
福沢諭吉 「教育の事」
...第十三 良人一 同情相憐れむこれより先...
福田英子 「妾の半生涯」
...「憐れむなんてこともないけれど――俺は...
牧野信一 「露路の友」
...こんなのにびくびくされる人々の無理解を私はむしろ憐れむべきだと思います...
武者金吉 「地震なまず」
...憐れむような眼で...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...また愛し尊敬する者、愛し憐れむ者、憐れみ侮蔑する者を持っている...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...悪そのものを許すのではなくして人を憐れむのであることを忘れない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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