...だれも憐れなリップ・ヴァン・ウィンクルがわからないんですか」みな驚いて突ったっていた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...捨てゝ行く人に對する切なき哀憐も...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...四十雀や山陵鳥(やまがら)が餌をあさりながら猿麻の垂れ下った樹間に可憐な音をころがしつつ遊んでいる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...○其の手紙は候文と普通文とを捏(こ)ね交ぜたやうな文體で先づ自分が「憐れなる片田舍の小學教師」であるといふ事から書き起してあつた...
石川啄木 「歌のいろ/\」
...奴(ど)憐(あわれ)みて飯を与へしが...
巌谷小波 「こがね丸」
...緋桃の花のような可憐な美少女だった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...可憐(いたいけ)な少女の心にも何かなやみと云ったようなものがあり得るものだろうか...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...考えように依(よ)っては単なる憐愍(れんびん)とばかりは取れず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...無題(むだい)君心ありてわれを憐れまば冀(ねがは)くは来りてわが門を敲(たゝ)くなかれ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...己の憐れな境遇を訴えた...
中島敦 「南島譚」
...憐憫の思ひに駆られ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...神は貴族とエゴイストとを罰するために彼等の心から愛憐の芽生をぬき去つた...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...それが今ではまるで娘たちか何かのやうに可憐な姿におもへてくるのだ...
原民喜 「心願の国」
...後悔とも愛憐とも名状のつかぬ思いが湧涌してとめることが出来ぬ...
久生十蘭 「湖畔」
...憐憫も同情も知らないほど鈍感な性質であったとは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その可憐な花が紫のままだということが分ったので...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...ふざけたふうな姿が可憐(かれん)でないこともなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...……可憐なものにたいする不愍(ふびん)をご存じであったのか...
吉川英治 「新書太閤記」
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