...七 父親を慕ふ可憐の小児『四十八番!』『四十九番!』恐ろしく底力を持つたよく響く濁つた憎々しい声が龍子を驚かした...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...さも憎々しい顏を向けて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...儂も何を好んで市長を苛めましょう」動坂三郎は憎々しいまでに落ついている...
海野十三 「深夜の市長」
...赤耀館へ憎々しい姿を現わしました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...何という憎々しい……」房子はどうしても黙ってはいなかった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...憎々しいくらいの容赦なき箇所の在ることは...
太宰治 「女の決闘」
...ちょっと憎々しい年(とし)である...
太宰治 「正義と微笑」
...見るから憎々しい赭(あか)ら顔の大兵(だいひょう)な英人二人がこちらを眺めながら平服の腕を組んで傲然(ごうぜん)と語り合っている...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...第一鼻が思っていたよりもずっと高くいかにも憎々しいように突き出ていて...
寺田寅彦 「自画像」
...憎々しい毒念が彼の胸を刺(さ)すのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...羨望に似た憎々しい気も起った...
豊島与志雄 「林檎」
...見るから憎々しい尊大さで光つた...
南部修太郎 「猫又先生」
...彼女はその憎々しい奴(やつ)どもの頸(くび)を引っつかんで...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...憎々しい坊主女だとは思った...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...スタヴローギンの憎々しいばかりの冷さが感じられて...
林芙美子 「浮雲」
...そうして憎々しい目附(めつき)で二人を見て云った...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...この世限りの憎々しい表情を作って自分の顔の鼻の先に近づけた...
夢野久作 「冗談に殺す」
...如何にも憎々しい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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