...たちまち不安に堪えられぬ憂鬱な状態を現わし...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...まったく憂鬱な話です...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...中世は医学史において暗く憂鬱な期間であり...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...星の光も見えない何となく憂鬱な夕(ゆうべ)だ...
岡田三郎助 「白い蝶」
...ひどく憂鬱な気持であった...
太宰治 「未帰還の友に」
...Kは佗しい憂鬱な心持で歩いた...
田山録弥 「ひとつのパラソル」
...憂鬱なお伽噺なんか僕にも似合わないって……...
豊島与志雄 「鯉」
...憂鬱なお伽噺の世界だね...
豊島与志雄 「鯉」
...しばしば憂鬱なる裏町の光景を組織する...
永井荷風 「日和下駄」
...寒いのでとかく縮こまつてゐますが東京の街もインフレで憂鬱なことです...
原民喜 「書簡」
...なにをしてやっても喜ばない憂鬱なやつらだが...
久生十蘭 「だいこん」
...だから彼の愛してゐた風景は――彼の作品の中に獨特な美しさを以て描き出された多くの風景はいつも必ず憂鬱な色を帶びたものだつた...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...この喜劇の先祖の像を務めてゐる憂鬱な若者だつた...
牧野信一 「山彦の街」
...淋しい憂鬱なひとときを過ごすのであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...誰でもこのへぼ作者の迷妄の幼稚なのを微笑します――憂鬱な微笑かもしれないが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...依然として基督(キリスト)じみた憂鬱な眼付で見下しつつ...
夢野久作 「怪夢」
...憂鬱な氣持ちが矢張り彼を襲つて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...鳴きつづける山鳩の憂鬱な声...
横光利一 「夜の靴」
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