...本丸も何時かは落城の憂目(うきめ)を見ん」と...
芥川龍之介 「八宝飯」
...恁(かゝ)る憂目(うきめ)に遭(あ)はされつゝ有(あ)りしかと...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...かかる憂目(うきめ)に遭(あ)わされつつありしかと...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...多年売込んだ老舗でさえもついに閉店の憂目を見るという有様で...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...社交界から追放の憂目(うきめ)に遭(あ)ったものである...
太宰治 「酒の追憶」
...三度とも同じ憂目(うきめ)に逢った...
太宰治 「水仙」
...発禁の憂目を見せるに過ぎないのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...こんな憂目を見なくても済んだに……と今この男がジャガタラいもに向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...元寇(げんこう)に於ける壱岐(いき)対馬(つしま)の憂目(うきめ)をこの房州が受けなければならぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうつくねんとして重禁錮(じゅうきんこ)同様な憂目(うきめ)に逢(あ)うのは我慢の出来るもんじゃない...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...いや斯く云ふ私なども敗惨の憂目を覚ゆる点では誰方(どなた)にも劣らぬ嘆きの沼の主ではありますが...
牧野信一 「女に臆病な男」
...連敗の憂目を雪がんと六十万の兵をもつて陣容を健て直したクロパトキンの奉天を目指して...
牧野信一 「サクラの花びら」
...どんな憂目を見るであろう旅の空を想うのが痛快であった...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...大概の者が主との初対面の時に――それは入門者のメンタルテストのために主は事更に頻繁と手を叩いて小間使ひを呼び出しては彼女の上に注ぐ彼等の眼つきを詳さに観察されるので多くは落第の憂目に遇ふのださうである...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...それに応募した私の作品に対し選者白井喬二氏が相当の高点を与えて支持されたに反しやはり選者であった甲賀三郎氏の点が非常に辛かったため遂に落選の憂目を見たことがあった...
山本禾太郎 「探偵小説思い出話」
...知らぬ憂目に逢坂(おうさか)山の...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...憂目(うきめ)に追いやって」九明けて文治(ぶんじ)二年の一月末には...
吉川英治 「日本名婦伝」
...まるで袋の鼠同様の憂目...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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