...幽閉の憂目にさえ遇(あ)わせようとした...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...斯かる憂目を見せて...
大町桂月 「夜の高尾山」
...かかる憂目(うきめ)に遭(あ)わされつつありしかと...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...社交界から追放の憂目(うきめ)に遭(あ)ったものである...
太宰治 「酒の追憶」
...約五十人が落第の憂目に遭(あ)い...
太宰治 「惜別」
...しかも大敗の憂目を見ること三度...
太宰治 「地図」
...ぶざまの憂目を見なくてすんだのだ...
太宰治 「皮膚と心」
...こちらの都合も考えずにいきなりチリリンと騒がされる憂目も免れたし...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...残忍な試験に供せらるるだけの憂目(うきめ)は免れることを得て...
中里介山 「大菩薩峠」
...わしが仲達(ちゅうたつ)の憂目を見せられる」二十この貴公子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...重ければ取潰しといふ憂目にも逢はないものでもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おれの心一ツで親女房に憂目(うきめ)を見するという事に其時はツイ気が付かなんだが...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...いや斯く云ふ私なども敗惨の憂目を覚ゆる点では誰方(どなた)にも劣らぬ嘆きの沼の主ではありますが...
牧野信一 「女に臆病な男」
...「W」大学はもう四年も続けて連敗の憂目を嘗めてゐたが...
牧野信一 「サクラの花びら」
...大概の者が主との初対面の時に――それは入門者のメンタルテストのために主は事更に頻繁と手を叩いて小間使ひを呼び出しては彼女の上に注ぐ彼等の眼つきを詳さに観察されるので多くは落第の憂目に遇ふのださうである...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...著者が獄中にあって頭上で夥しく砲丸破裂の憂目(うきめ)を見た実験談を述べて...
南方熊楠 「十二支考」
...かなしい憂目(うきめ)を見たかも分りません...
室生犀星 「津の国人」
...度々検事に取調べられる憂目(うきめ)を見ました...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
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