...社交界から追放の憂目(うきめ)に遭(あ)ったものである...
太宰治 「酒の追憶」
...いかなる前生の悪業(あくごう)ありてかかる憂目(うきめ)に遭うかと生きる望も消えて...
太宰治 「新釈諸国噺」
...入学試験に落ちた憂目(うきめ)を見た事がないからかも知れない...
太宰治 「正義と微笑」
...ぶざまの憂目を見なくてすんだのだ...
太宰治 「皮膚と心」
...長生したがためにかへつて没落転々の憂目を見た...
種田山頭火 「草木塔」
...こちらの都合も考えずにいきなりチリリンと騒がされる憂目も免れたし...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...次第によっては自分たちが袋叩きの憂目(うきめ)にあって...
中里介山 「大菩薩峠」
...かつて同じやうな憂目をすました詩集を出したことがあるのは無論であらう...
仲村渠 「詩と詩集」
...重ければ取潰しといふ憂目にも逢はないものでもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かえって伜に憂目(うきめ)を見させるわけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それが自分の縁に維(つな)がると云ふばつかりでひよつとした憂目に遇ふと云ふことは...
平出修 「逆徒」
...大概の者が主との初対面の時に――それは入門者のメンタルテストのために主は事更に頻繁と手を叩いて小間使ひを呼び出しては彼女の上に注ぐ彼等の眼つきを詳さに観察されるので多くは落第の憂目に遇ふのださうである...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...おうおうとして失職と創作難の憂目に祟られてゐるので...
牧野信一 「三田に来て」
...著者が獄中にあって頭上で夥しく砲丸破裂の憂目(うきめ)を見た実験談を述べて...
南方熊楠 「十二支考」
...若(も)し彼が誤つて一歩此の土地を離れた後の失職の憂目(うきめ)を予感させるやうな夕風であつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...けちけちした原稿かせぎの憂目にはさういふだいまいの餘裕はなかつたのだ...
室生犀星 「巷の子」
...度々検事に取調べられる憂目(うきめ)を見ました...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...老公の側近から家中の正義の士がことごとく全滅の憂目を見るに知れきっているものを――晏如(あんじょ)として...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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