...本丸も何時かは落城の憂目(うきめ)を見ん」と...
芥川龍之介 「八宝飯」
...あんなことをしなかったならばこのような憂目にはあうまいにと...
丘浅次郎 「動物界における善と悪」
...醜態の連続の憂目を見なければならなくなったのである...
太宰治 「乞食学生」
...入学試験に落ちた憂目(うきめ)を見た事がないからかも知れない...
太宰治 「正義と微笑」
...ただいま松の木の怪腕と格闘して破損などの憂目を見てはたまらぬという冷静の思慮を以てまず入歯をはずし路傍に安置仕り候ものにて...
太宰治 「花吹雪」
...長生したがためにかへつて没落転々の憂目を見た...
種田山頭火 「草木塔」
...伐採の憂目(うきめ)をまぬかれた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...あまりに有効な発明は失業を増大させるから却って特許を与えられないという憂目さえ見なければならない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...重ければ取潰しといふ憂目にも逢はないものでもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼は当然の報いとして投獄の憂目をみたのであるが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それが自分の縁に維(つな)がると云ふばつかりでひよつとした憂目に遇ふと云ふことは...
平出修 「逆徒」
...連敗の憂目を雪がんと六十万の兵をもつて陣容を健て直したクロパトキンの奉天を目指して...
牧野信一 「サクラの花びら」
...若(も)し彼が誤つて一歩此の土地を離れた後の失職の憂目(うきめ)を予感させるやうな夕風であつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...けちけちした原稿かせぎの憂目にはさういふだいまいの餘裕はなかつたのだ...
室生犀星 「巷の子」
...後者ははじめから一番下の段階にいてこれ以上墜落する憂目にあうまいとするのであるが)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼らの例にならって同様の憂目を見ようとしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こんな流亡の憂目(うきめ)をみるに至ったのだという日頃の憎悪(ぞうお)を以て...
吉川英治 「人間山水図巻」
...たとえどんな憂目を見たにしろ...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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