...外敵を憂えることをほとんど要しなかったような多年の歴史が国民にかような習性を形作るに至らしめたと見ることがおそらく正しいのであって...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...前途を憂える正造の警告と奔走は次第に疎んぜられ嫌悪されるに到った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それを憂えるからして...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...国を憂える点では同じだと言った」「加柴はそれでなんと答えた」「別になんにも……」熱い酒を俺は立てつづけに飲んで...
高見順 「いやな感じ」
...例えば生産関係とか階級関係とかと異る折角の技術的なものが見失われはしないかを憂える向きもあるかも知れない...
戸坂潤 「技術の哲学」
......
永井荷風 「花火」
...三蔵法師(さんぞうほうし)を救い出すなり)の成否を憂えるだけで...
中島敦 「悟浄歎異」
...国を憂える真意を裏づけようとでもしたら...
宮本百合子 「一票の教訓」
...今となっては最右翼の考えでさえも真に国を愛し憂える真剣なものならば言い方はいろいろに違っても...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...」貞時はなにかを憂えるように...
室生犀星 「津の国人」
...為政者は国費の国外に流出することを憂えるとともに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...他人事を憂えるに似た観念の弱さを感じる反撥も手伝い...
横光利一 「旅愁」
...京師へ豺狼を引入れたら人を喰いちらしはしませんかな」鄭泰(ていたい)が憂えると...
吉川英治 「三国志」
...諸将が憂えるような破滅に君を立ち到らせるような愚はしません」孔明のことばに信頼して...
吉川英治 「三国志」
...あまりに諸臣が憂えるので...
吉川英治 「三国志」
...このままではならぬとしたら、河内どのは、どうしたら、よりよい万民の住みごこちよい世が、打ち建てられるとおもわれるの」「微力、憂えるだけで、何の力も策もない身をかなしむだけでございまする」「だが、ご辺も武門、歴乎(れっき)とした武門だ...
吉川英治 「私本太平記」
...それは憂えるほどなことでもない...
吉川英治 「私本太平記」
...国を憂える肺腑(はいふ)のひびきと聞えなくもない...
吉川英治 「新・水滸伝」
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