...おっ母さんら――」とおせきは突慳貪(つっけんどん)に叫んで...
犬田卯 「米」
...機先を制せられて、張り詰めてゐた反抗心は失つたが、再び慳貪に、「連れて行かうが行くまいが、おれの勝手だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どうも邪慳(じゃけん)で...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...鼻はその邪慳さに腹立(はらだち)でもしたやうに真赤になつた...
薄田泣菫 「茶話」
...」そんな邪慳な言葉を省三はまだ一度も女から聞いたことはなかつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...信一が邪慳(じゃけん)に襟頸を捕えて...
谷崎潤一郎 「少年」
...「なぜこのごろはそう邪慳(じゃけん)だろう?」ト頭をうなだれたままで言ッた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...自分の声が恐ろしく邪慳(じゃけん)に自分の耳に響いた...
寺田寅彦 「病中記」
...カウンターの突慳貪な聲にも...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...邪慳(じゃけん)な言葉などは可哀(かわい)そうでとても口から出せなくなってしまった...
夏目漱石 「行人」
...歩けッ」邪慳(じゃけん)に縄尻を引くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...邪慳(じゃけん)にあっちに行け...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...はじめの中(うち)は何(なに)か串談(じようだん)に態(わざ)とらしく邪慳(じやけん)に遊(あそ)ばすのと思(おも)ふて居(を)りましたけれど...
樋口一葉 「十三夜」
...起上(たちあが)ッて邪慳(じゃけん)に障子を〆(しめ)切り...
二葉亭四迷 「浮雲」
...しッかり捉(とら)えたお勢の袂(たもと)を……「何をなさるンです?」と慳貪(けんどん)に云う...
二葉亭四迷 「浮雲」
...厭(いや)……」私はおばあさんが私の傍で小さなアルミニウムのお弁当箱をあけようとするのを邪慳(じゃけん)に遮(さえぎ)った...
堀辰雄 「幼年時代」
...どうかすると弟達が邪慳(じやけん)にして打(ぶ)つたり蹴つたりもしかねないので...
正宗白鳥 「孫だち」
...邪慳な(と自分も行こうとして...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
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