...こんな乱暴で理不尽な苛立ちを突っ慳貪にぶつけられても...
東健而訳 大久保ゆう改訳 「瀕死の探偵」
...そこに来て働く女中たちを一人(ひとり)一人突慳貪(つっけんどん)にきびしくたしなめた...
有島武郎 「或る女」
...私は人の顏さへ見れば噛みつくやうに邪慳(じやけん)な事を言つてやりたいやうな氣持を抱きながら...
石川啄木 「病室より」
...そして馬鹿々々しく突つ慳貪な態度をしたものだと思つたり...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...わたしに邪慳にしないようになったら...
田中貢太郎 「春心」
...信一が邪慳(じゃけん)に襟頸を捕えて...
谷崎潤一郎 「少年」
...自分の声が恐ろしく邪慳(じゃけん)に自分の耳に響いた...
寺田寅彦 「病中記」
...鈍(どん)な久さんを慳貪(けんどん)に叱りつける...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...強情な突慳貪なのと違って...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...そのまま一方に向って邪慳(じゃけん)に取って投げたものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...悄然(せうぜん)として後(あと)に跟(つ)いて來(く)る勘次(かんじ)を要(えう)はないからと巡査(じゆんさ)は邪慳(じやけん)に叱(しか)つて逐(お)ひやつた...
長塚節 「土」
...おさん そう考えるのは男の邪慳だ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...貴方があんまり私を邪慳にするので...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...しッかり捉(とら)えたお勢の袂(たもと)を……「何をなさるンです?」と慳貪(けんどん)に云う...
二葉亭四迷 「浮雲」
...「少しお噺し……お……」「今用が有ります」邪慳(じゃけん)に袂を振払ッて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...どうかすると弟達が邪慳(じやけん)にして打(ぶ)つたり蹴つたりもしかねないので...
正宗白鳥 「孫だち」
...邪慳(じゃけん)にかかえて...
吉川英治 「治郎吉格子」
...突慳貪(つつけんどん)に姉にいふ...
若山牧水 「姉妹」
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