...持てるを持たずとする虚僞に比すれば遙かに上品ぢやないかと今一つの聲が慰める...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...」氷峰はこちらを慰める樣に云ふ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...テツさんを慰めるにしても...
太宰治 「列車」
...まるで亡命者のやうな私の心を慰める...
中原中也 「我が生活」
...腹を立てるな」「へエ――」平次も八五郎を慰めるのが精一杯です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泣かせますよ」慰めるつもりなのか...
久生十蘭 「金狼」
...チャーリーに心をかけていたら……」ジェシが慰めるように言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...といふ心と無意を慰めるといふやうな心とで)失恋の男が自殺する刹那の光景を想像して見た...
牧野信一 「痴想」
...まして病人の側に坐つて見た処でどうして病苦を慰めるかといふ工夫などは固(もと)より出来るはずがない...
正岡子規 「病牀六尺」
...私はベーカー夫人と一緒に兵隊さんを慰めるコンサートをいたしました...
三浦環 「お蝶夫人」
...婦人が夫を慰めるのは...
宮城道雄 「声と食物」
...御両親も親子の縁の結ばれた間柄はまた特別な縁で来世で再会ができるのだと信じていらっしゃい」と源氏が慰めると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私もまた寂しいあなた様のお心を慰める友になりえて親密なおつきあいができましたらどんなにうれしいかと思われます」などと薫の多く言うのに対して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...滅亡(ほろ)びた崑崙王国の万霊を慰めるのだそうですが...
夢野久作 「狂人は笑う」
...慰めるといふんだ...
吉川英治 「折々の記」
...抱かないばかりに慰めると...
吉川英治 「三国志」
...いつか自分のかなしみを慰める音楽のように...
吉川英治 「親鸞」
...夜が明ければ私は何をおいても死んで行く者を慰めるために出かけなければならない...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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