...無思慮な少年時代をとおり越した...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...遠慮は無用にして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...もとから遠慮も何も無い仲だったのですが...
太宰治 「嘘」
...幸子は見送りに行くべきだけれども、自分が行けば尚更(なおさら)姉ちゃんが泣き出したりして見っともない光景を演じるであろうからと、わざと遠慮して、貞之助が一人で行ったが、待合室には早くから受付が出、百人近くも集った見送り人の中には先代の恩顧を受けた芸人、新町や北の新地の女将や老妓(ろうぎ)も交っていたりして、さすがに昔日の威勢はなくとも、旧(ふる)い家柄を誇る一家が故郷の土地を引き払うだけのものはあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...女中は遠慮している私に強飯やきんとんを勧めて次へ退って了った...
谷崎潤一郎 「少年」
...彼等は武州公の秘事についてその暗黒な方面を随分無遠慮に発(あば)いているのだから...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そして遠慮なくよばれて...
種田山頭火 「松山日記」
...学問性の(又教導性の)具体的(現実的)規定――それは実践への顧慮を計上した規定である――として吾々は何を持っているか...
戸坂潤 「科学方法論」
...こういう無遠慮なさむらいですけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...こちらへ向って無遠慮に侵入の気配にある一揆暴動の逆流を...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠慮勝ちな處女(をとめ)の心にも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎は遠慮がないから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女子供の足を考慮してたっぷり時間を取った...
本庄陸男 「石狩川」
...お梅は遠慮なしに上つて...
正宗白鳥 「孫だち」
...何さ遠慮があらうに……...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...彼のほうでも遠慮のない調子で着て来た物の縫いつくろいを頼んだり...
山本周五郎 「柳橋物語」
...「口ほどにもない奴」と、浅慮にも、王忠は図にのって関羽を追っかけた...
吉川英治 「三国志」
...これしきの難に思慮を失う兄とは日ごろ思わなかったが」「いや...
吉川英治 「私本太平記」
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