...たじたじと後を慕うて...
泉鏡花 「婦系図」
...殆(ほとん)ど全部が母を恋い慕う文字で埋まっているのである...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...米友を慕うだけではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにあの令嬢の淑徳(しゅくとく)を慕うのさとすましきっています...
夏目漱石 「創作家の態度」
...これ程慕う子の心が...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...――河原者を慕う不所存な女子を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...婆羅門これを自分の子のごとく愛し那倶羅の子もまた父のごとく彼を慕う...
南方熊楠 「十二支考」
...何となく児太郎を慕う気が起らなくなっていた...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...威力に強いられ乃至(ないし)は下(くだ)され物を慕うて...
柳田国男 「山の人生」
...そして母を慕う子への不愍(ふびん)を...
吉川英治 「大岡越前」
...洛陽の旧都を慕うこと切なるものがあった...
吉川英治 「三国志」
...劉予州の君、ひとたび当陽に敗れたりとはいえ、後、徳を慕うて、離散の兵はことごとくかえっております...
吉川英治 「三国志」
...おあとを慕う法師武者も少なくはなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...慕うまでにはならない...
吉川英治 「新書太閤記」
...それに、将頼、将文など、将門の弟たちも一つになり、お味方は、駈けちらされている有様です」「では、来るな、こっちへ」「必定(ひつじょう)、お味方の崩れ立って来る方へ、追い慕い、追い慕うて、襲ってくると思われますが」扶は、こらえているふうだが、具足の下に、ふるえを見せ、顔も、硬直していた...
吉川英治 「平の将門」
...こうまで強く慕う気になるのであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...おのずから老公を慕う若いもののあいだに生れた風である...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...失われた永遠の美を慕うて嘆くものには...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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