...主翁はしかたなく慍(おこ)り慍り起きて来た...
田中貢太郎 「怪しき旅僧」
...少し慍つたやうな表情をした...
徳田秋聲 「フアイヤ・ガン」
...君は慍(いか)る容子もなく徐(しずか)に待って居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...南風の薫(くん)ずるやもって我が民の慍(いかり)を解くべし...
中島敦 「弟子」
...女は黙つて慍つたやうな顔つきで歩いてゐる...
原民喜 「火の唇」
...彼女は少し慍つたやうな顔つきで遠くを視つめてゐる...
原民喜 「雲雀病院」
...人民これを仰げば以て其慍(いかり)を解く可し...
福沢諭吉 「帝室論」
...奥さんを大へんお慍(おこ)らせになった事もありました...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...勝手に慍ツてゐるが可いわ...
三島霜川 「平民の娘」
...そんなに慍つたやうな顔をしてちやあ...
水野仙子 「脱殼」
...」「慍(おこ)ったね...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...お慍りにならないで聞いててね...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...」「慍って飛びついて来たから...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...須貝慍(おこ)らなくったっていいさ...
森本薫 「華々しき一族」
...昌允 慍る元気もない...
森本薫 「華々しき一族」
...陰からお祈りしています」「不意にお呼止めしたのを慍(おこ)りもなさらないで...
山下利三郎 「流転」
...あの窓から覗いて……あの煙草屋の前を力なげに歩んでいる放浪者に心を惹きつけられた……慍られはしないかと思いながら跡を逐(お)うて呼んでみたが...
山下利三郎 「流転」
...子路慍(いか)り見(まみ)えて曰く...
和辻哲郎 「孔子」
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