...二葉亭は日本の政治家にも実業家にも慊らなかったのだ...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...今回選せし二十四句と雖も清新といふ点よりいへば慊らざるもの多く候...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...天下を擧げて之に與ふるも心(こゝろ)慊焉たらざりしものも...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...その資望もしくは施設の人意に慊(あき)たらざるものもあるべし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...藩閥者流は漸く侯に慊焉たらざるを得ざるに至り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...動もすれば伯の行動に慊焉たるの状ありと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...泥土のようにわれとわが身を蹂躙(じゅうりん)して慊(あきた)らないこの身に...
中里介山 「大菩薩峠」
...勘次(かんじ)はそれでも慊(あきた)らないでおつぎの姿(すがた)が戸口(とぐち)を出(で)るまでは庭(には)に立(た)つて居(ゐ)ることもある...
長塚節 「土」
...白川は慊(あきたら)なさを思はざるを得なかつた...
平出修 「瘢痕」
...三月六日に柏軒が始て松崎慊堂(かうだう)を見た...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは上(かみ)に文政辛巳の条に、榛軒が慊堂、斎に学び、柏軒が斎に学んだ事を言つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それは慊堂の会に赴くことを約した書が文淵堂の花天月地(くわてんげつち)中に収められてゐるからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此慊堂の書は会に先つこと五日に裁したものである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...推するに此「可有御坐」は慊堂特有の語ではなからうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...今の博物学の諸大家の説に慊(あきたら)ざる所以である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは古今幾多の伝記を読んで慊(あきた)らざるものがあつた故に...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...栄次郎は妹が自分たち夫婦に慊(あきたら)ぬのを見て...
森鴎外 「渋江抽斎」
...武蔵のこの態度を慊(あきた)らず思っていた無二斎が...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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